水辺遍路

訪れた全国1万1,700の池やダムを独自の視点で紹介

山形県

中台池(山形県鶴岡)

湯殿山スキー場を抜けて山道を進んで行った先に、ブナ林に囲まれた天然の山池のような閑静な池があった。 ジュンサイがびっしりと水面を覆う。水がきれいな証拠。黒みがかったタンニン水質にも見えるが、これは悪いことではない。 この池、よく見るとコンク…

仁府新ため池(山形県長井)

「廃池」という選択。 二段の兄弟池だったが現在はロストレイク(消失湖)となっている。上段は明治時代築造の仁府(にふ)ため池で下段が昭和築造の仁府新ため池。 決壊リスクがあったことから平成29年に地域の要望のもと廃池工事を実施。国の補助金によっ…

大堤と新兵衛堤(山形県南陽)

苗字帯刀も許された水守の集落。水林。 日本の滝百選のくぐり滝の奥にある二つの歴史ある溜め池。 江戸時代の米沢藩では新田開発のため水源林の保全を重視し、この一帯を禁伐林として高札を掲げ、さらにこれを監視させるために山守と水守(みずもり)の集団…

前田溜池(山形県大江)

堤高15.2mのハイダム。流出口から集落まで谷ストレートで350m。なんかとても危険な気がしないでもない。 しかし右岸側の林道、左岸側の舗装道のどちらからもアプローチできなかった。堰体中腹右岸側にアプローチ路のようなものも見えるが詳細不明。 右岸側の…

睦池(八景下池)(山形県白鷹)

関西産の純ベラ(?)だけを放流したヘラブナ釣り池として、地元の釣り師たちが大切に守ってきた河川敷内のジャリ穴タイプの池。 最上川と朝日連峰の景観が素晴らしく、心のふるさとのような愛すべき小場所だ。 2013年の初訪時は池の全周に釣り桟橋がめぐら…

上郷ダム(山形県朝日)

最上川に設けられた発電用のダム 東北電力が所管する発電用ダムで、最上川本流を堰く。さすが松尾芭蕉が「さみだれを集めてはやし」と詠んだ最上川。水の勢いが。 漁業権が設定されており釣りには入漁料が必要。サクラマスの遡上障壁となっているとの指摘も…

引竜第一ダム(山形県河北)

奥に異界から来たような月山の白く丸い稜線が引竜第一溜池とも。 堤高は15m以上ありハイダムスペック。堰体の法面を舗装道がはすかいに駆け上る。 訪れた際はアプローチ路が工事通行止めだったため徒歩で進めるところまで進み空撮を行なった。

引竜小溜池(山形県河北)

堰体の裾を引竜第一ダム湖にひたすような立地にある重ね池タイプの溜め池。 取水操作するための設備は見あたらないが、堰体下部にコンクリートダムでいうところのオリフィスのような穴が見えるのが気になる。ある程度の水位になったら自動的に下の貯水池に流…

院内溜池(山形県村山)

院内溜池は堤高14mのアースダム。あと1mでハイダム。惜しい。下の写真は南側にあるハイダムの塔の沢ダムとのツーショット。bunbun.hatenablog.com

伏熊沼(山形県寒河江)

2013年の伏熊沼。一見、まったりとした沼らしい沼だが・・ 日本で一番、ドン深な「沼」? 蛇行する最上川が醸成した河岸段丘を見下ろす山中の溜め池。 ハイダムスペックを満たすアースダムの堰体が堰く貯水池で伏熊ダムとも呼ばれる。ドン深のハイダム湖なの…

塔の沢ダム(山形県村山)

【とうのさわだむ / 塔ノ沢溜池】 1.5km北にある白石山ダムとよく似た立地と雰囲気をもち、ダムスペックのアースダムが堰く点も同じ。カエルのキャラクター入りの「入っちゃだめ」警告看板も同一のもの。設置者は村山西部土地改良区。 ただしこちらのアプロ…

引竜湖(山形県河北)

【ひきりゅうこ / 引竜第二ダム】 引竜湖は引竜第二ダムによる貯水池の愛称。湖というほどではなく、少し大きめの溜池の様相であるが、赤い管理橋が渡された取水塔が目をひく。 引竜第二ダムと名付けられた堰体の一部に「引竜交流広場」と名付けられたミニグ…

古室堤(山形県飯豊)

ふろむろつつみ。 その姿、ネットでは初公開? ダムファンが挑んでは敗退してきた難敵ダムだけに、インターネットを調べても1枚の写真も出てこない。一方、堤高16mの防災重点ため池として飯豊町のため池マップで公開されている。 アプローチ路として選んだ…

小滝ダム(山形県南陽)

堰体に埋め込まれたプレートには堤高15mの小滝ダムとあったが、基部に立つ看板には「吉野川砂防ダム」と記されていた。また堰体に「くぐり滝」というプレートもあるが、これは上流にある日本の滝百選の滝名であって、この堰体がつくる滝とは関係ない。 池は…

桜ヶ池(山形県米沢)

名物・米沢鯉の養殖池。 イワナ、ヤマメが生息する渓流の冷たい水を引き込んだ流水飼いで生産効率よりも味にこだわる。また低水温のためコイヘルペスウィルス感染する心配がないとの利点も。 米沢ではスーパーで鯉の煮付けを目にすることができる郷土食。か…

米沢城のお堀(山形県米沢)

「なせば成る なさねば成らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり」の名言が今に伝わり、藩政時代の名君として名高い上杉鷹山(うえすぎようざん)の居城。 米沢で池といえば、ため池を使った米沢鯉の養殖を思い浮かべるが、海のない米沢で領民のタンパク源…

新八堤(山形県川西)

ダリア園の開園期間は8月1日から11月3日。 堰体の後法面が川西ダリア園のイベントスペースの雛壇として改造されているが、溜め池の構造をしっかりと残している。 底樋門のスルースゲートを開閉するスピンドルハンドルが水面から突きだしており、この無雑作…

古峯堤(山形県南陽)

栃木県鹿沼の古峯(ふるみね)神社の火伏せの神様をこの池の島に勧請したようである。 中の島に向かって池の両岸から細い回廊のような堤が伸びていて、事実上、池を二分している。もっとよく見ておくべきだった。中学校側に神社への入口があるようだ。 2018…

丸堤(山形県南陽)

池のほとりが防災センターの広い駐車場になっている。 宅地との境界もどこかゆるく、だら〜っと池が広がっている。丸堤という名から、皿池タイプの溜め池と思われる。 マークした場所は駐車場。

池の平池(山形県鶴岡)

枝道を進んだ先の先、どんづまりの山あいにたたずむ円形の池。 細長い形状の池であれば、両岸に山が迫る谷池と分かる。しかし、山の中にあるのに円形の池となれば、まったく話は違う。 山深くに奇跡のような地形がなければ円形の池は生まれない。しかも、池…

八久和ダム(山形県西川)

やくわだむ。 なかなか到達できなかった秘境ダム。 東北電力の発電専用ダムで、重力式コンクリートの堤体は100m近い高さがある。しかし一体ぜんたい、これだけのダムを造る重機や資材をどうやって運んだのかと思うぐらい、アプローチ路が狭い。 月山ダム側か…

地蔵池(山形県西川)

紅葉の名所「月山山麓の地蔵沼」という言葉がネットでは多く見られ、Google マップでも「地蔵沼」と記載されていることからやや混乱気味だが、「月山山腹の地蔵池」とするのが現実に即していようか。 必ずしも決定打とはいえないが現地の案内板には「地蔵池…

ブス沼(山形県西川)

名水百選にも選ばれた月山湧水群のエリアには大小の池が見られるが、石跳川が穿った谷によって水脈としては分断された先の、湯殿山の山腹に広がる高原にあるのがブス沼。 積雪期にスキーのクロカンルートとしてブス沼は認知されているようだが、登山路がない…

カワクルミ沼(山形県西川)

名水百選にも選ばれた月山湧水群のある月山南麓エリアには大小の池が見られる。 山形県立自然博物館のネイチャーセンターに登山口があり、カワクルミ沼まで登山道でおよそ1km、1時間ほど。 月山は北麓側から山頂にかけても、八合目のいろは四十八沼、無量の…

鶴間池(山形県西川)

鳥海山南麓に穿たれた断崖の大地溝の底に、鶴間池がたたずむ。道路は左の崖上のへりを進んでいる 「シシ神感」は東北トップクラスの山池 東北一の高峰にして百名山である鳥海山の裏参道「鳥海高原ライン」のつづら折りを曲がるたびに標高が上がっていく。こ…

藤田溜池(山形県河北)

現地の干害防備保安林の標識看板には「藤田ダム」と記されていたが、確かにハイダムスペックを満たすアースダムの堰体が堰く農業用溜め池。 果樹園と丘陵林に囲まれたのどかな雰囲気の中、階段状護岸もありオカッパリもしやすい好釣り場にもなっている。対象…

水窪ダム(山形県米沢)

【みずくぼだむ。豊穣の湖】 悲願だった米沢の水がめ 保水力に乏しい吾妻山山系に大きなクサビを打ち込み、生産性の低かった米沢の農業に黎明を、との積年の思いを結集させて造られたロックフィルダムによる貯水池。 その名も「豊穣の湖」 農業用水中心だが…

逆沢ため池(山形県米沢)

【さかざわためいけ。逆沢堤、逆沢池とも】 江戸時代の米沢藩主・上杉鷹山の施策として開始された食用鯉の養殖は領民の重要なたんぱく源となっていた。 米沢鯉は現在も地域の特産物であり、正月料理に欠かせない食材となっているそうだ。 逆沢ため池は2013年…

釜ヶ島池(山形県米沢)

ブランド鯉? 米沢鯉を生産する「鯉の宮坂」が所有する三つの養殖池のひとつ。 もともと米沢鯉は、名君・上杉鷹山が飢饉に喘いでいた米沢藩の領民の新たなタンパク源にしようと、福島の相馬から取り寄せた稚魚をお堀で育てた歴史があるそうだ。 養殖池といえ…

トトロの森の棚池(仮称)(山形県米沢)

池に映った「逆さトトロ」米沢藩は江戸時代に激しい飢饉に何度も苦しめられた。そんな中、豊穣を願い里山に鎮守の神様を祀った。 それが現代になって、水田の中にぽつんと残された鎮守の森の形がトトロに似ているとなって話題になる。じつはトトロの耳にあた…