水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

仁府新ため池(山形県長井)

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「廃池」という選択。

二段の兄弟池だったが現在はロストレイク(消失湖)となっている。上段は明治時代築造の仁府(にふ)ため池で下段が昭和築造の仁府新ため池。
決壊リスクがあったことから平成29年に地域の要望のもと廃池工事を実施。国の補助金によって費用的な負担は免れたものの、廃池後の維持管理は地元が担うので負担ゼロというわけではない。
今後、全国で補助金を使った廃池という選択肢が激増してくると思われるが、廃池後のモデルケースとして地域の意識や変化にも注目していきたいと思っている。
廃池の工法は堤の開削。2021年時点のGoogle マップ航空写真では、水抜き状態の二つの池が確認できた。
現場に立ってみると大きくV字に開削された堤があった。徐々に森に呑み込まれていく気配があり、池が造られる前の自然に戻りつつあるようだった。ただ、堤の前でクマザサに覆われて外来魚放流禁止の看板だけが、池のなごりを伝えていた。
アプローチ路はダート。
より大規模な「廃ダム」については、日本初の事例として熊本県の荒瀬ダムがある。

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