水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

奈良県

七ツ池湿原跡(奈良県上北山)

「魔の山」の頂上にある湿原跡 古く神話の時代から「魔の山」として恐れられてきた大台ヶ原山。百名山にも選ばれ、日本有数の降水量が穿った地形である大杉谷は日本三大渓谷のひとつに数えられ、「百名山」の中で深田久弥も激賞している。 そんな紀伊半島の…

稲倉配水池(奈良県生駒)

生駒市立総合公園体育館の裏手の高台にある配水池。 公園駐車場、トイレあり。 矢田丘陵遊歩道登山口まで700m。 マークした場所は公園駐車場。

道の駅 飛鳥の調整池跡(仮称)(奈良県明日香)

明日香のロストレイクは古墳時代だけでなく現代の調整池も 明日香村といえば古墳時代に築造された祭祀用の池の跡が見つかり発掘調査も行われているが、そんな明日香の里池めぐりにぴったりの道の駅が近鉄線の駅前にできていた。 隣接して池が地図には記され…

池原ダム(奈良県下北山)

【いけはらだむ / 池原貯水池】 紀伊半島を代表するダム湖。アーチダムの人造湖としては日本最大 巨大なアーチダムとは背を向けるようなかっこうで対岸に洪水吐ゲートと取水設備を置いたちょっと変わったレイアウトの池原ダム。 取水や洪水吐といった複雑な…

おおたき龍神湖(奈良県川上)

【おおたきだむ / 大滝ダム】 天皇陛下もアマゴの御放流に御列席 連続アーチと円柱を組み合わせたデザインが特徴的な重力式コンクリートダム。 湖畔に温泉ホテルや役場などが一体化した道の駅もある。 2014年には天皇陛下ご臨席のもと、アユと奈良県の県魚で…

鶴ヶ池と西谷川甌穴(仮称)(奈良県宇陀)

無名の滝やポットホールを従え、山奥に孤高に佇む「謎ダム」 名勝の赤目四十八滝の近くにある山深い場所に、ぽつんと孤高にたたずむ素性の分からない池が前から気になっていた。航空写真で見ると整然と整えられた堤体が。経験上、これは間違いなくハイダムで…

当麻池(奈良県葛城)

【たいまいけ / 南良池】 名刹・当麻寺の名を冠した管理釣り場 葛城市街地を見おろす小高い山腹にあり、全席23席とこじんまりとしつつも、気持ちのよさで知られるヘラブナ管理釣り場。小さいのに最大水深は5mもあり、深場から魚を引き上げる楽しみもある。 …

崇神天皇陵と「山の辺の路」(奈良県天理)

最古の歴史散策路「山の辺の路」沿いの神聖な池群 日本最古の歴史散策路ともいわれる「山の辺の路」に沿って古墳の池が点在。これらの池は一見すると溜め池にしか見えないが、柵がふつうじゃないオーラを放っていることに気づく。ただの立入禁止じゃない。管…

箸中大池(奈良県桜井)

はしなかおおいけ。 夫が白蛇であることに驚いき女陰を箸で突き刺して自死したという壮絶さで知られる神話の箸墓。 それに由来する箸墓古墳の池。ため池100選にも選定されている。 周辺は大和盆地野池群。起源は平安時代にさかのぼる歴史ある方形の皿池が数…

室生湖(奈良県宇陀)

【むろうこ / 室生ダム】 国定公園の自然に包まれ釣りができるリザーバー 室生赤目青山国定公園に指定された山間部の谷間を這う蛇のように入り組んだ湖形を広げるリザーバー。この変化に富んだ湖岸におのずと釣り人の情緒も高まる。 ヘラブナ狙いなら美しい…

津風呂湖(奈良県吉野)

【つぶろこ / 津風呂ダム】ヘラブナ釣り台でテレワーク。目の前にはゴミ箱。すぐ下には釣り師の姿も(2023年5月) 関西の「良心」が昇華した野釣りフィールド 関西における「ダム湖ヘラブナ釣り発祥の地」だけあって、大型の国営ダム湖でありながら野釣り環…

小綱池(奈良県橿原)

2015年にJR西日本と地元住民とが協力し、ヒツジ除草プロジェクトを始動。 「池を立入禁止ではなく人の集まる場所に」と自治会長。 しかし2023年に訪れたところ、人が集まる場所にはなっておらずヒツジも見あたらず。 ただし池の横のガードをくぐった先はタイ…

長池(奈良県香芝)

ヒツジグサならぬ動物の「ひつじ」がいる池 池に水面を彩る水草のなかでも情緒深いのがヒツジグサ。スイレンの一種でもある水草であるが、動物の羊(ひつじ)がいる池というのは長い池遍歴のなかでもここが初めて。 この羊たち、じつは池の堤の雑草を食べて…

長岳寺 放生池(奈良県天理)

紫と白の花の共演を楽しめる寺社池 高野山真言宗 長岳寺境内にある放生池。長岳寺は池造りの天才でもあった弘法大師さまが創建した古刹。 放生池は寺社池に多いタイプの池で、生き物を憐れむ目的で魚の放流などを行う神事に使われるなどの役割を持つ池。 長…

飛鳥京跡苑池(北池・南池)(奈良県明日香)

古墳時代に築造された祭祀用の池 飛鳥時代の七世紀後半に築造された庭園池。 2019年8月に明日香の里に石組みの水路が発見され、この人工池が天皇や宮廷の祭祀の場だったのではないかと見立てが研究者によって示された。 日本初の本格的な宮廷庭園跡 池はデザ…

お亀池(奈良県曽爾)

曽爾高原の標高810mに位置する天然湖沼。ススキ原に囲まれた湿原化の進む池で、晩秋に草紅葉とともに黄金色に輝く絶景が多くの観光客の心を捉えている。日本の重要湿地500、平成の名水百選に選定。

鳥屋池(奈良県橿原)

「危険」看板の名義は、宮内庁 中の島が古墳になっているが、溜め池構造も持つ。 鳥屋ミサンザイ古墳(宣化天皇身狭桃花鳥坂上陵)。池に立てられた看板は、宮内庁!

磐余池(奈良県橿原)

「日本書紀」や「万葉集」にその名がしばしば登場するにもかかわらず、長らく所在地が不明で「幻の池」ともいわれた磐余池(いわれいけ)。現存するなかでは日本最古のダムのひとつとされる大阪府の狭山池(日本ため池百選)より古く、築造はなんと6世紀!!

本郷溜池(奈良県宇陀)

老人ホームが隣接した大型の溜め池。堤からは「関西の軽井沢」こと大宇陀の里を見おろせる。池畔にはホームの住人たちが植栽したカキツバタ群落がある。 釣り禁止。 近くには、しだれの一本桜として有名な又兵衛桜や、本郷温泉、道の駅がある。 道の駅 又兵…

池津川取水ダム(奈良県迫川)

発電用の水を取水するハイダムスペックの堰堤。 紀伊半島の内奥を貫く国道から分岐し、さらに秘境へとひたすら悪路の舗装林道を進み、たどり着いたときの達成感たるや。 ほとんどクルマが通らないので、静かな時間に包まれて池ごはん。ヤキソバと冷凍うどん…

広芝池(奈良県宇陀)

なんという急傾斜の堰体。草を刈ったら緊張感あふれる姿が現れそう標高637mの単立峰・伊那佐山は水の神様として頂上に都賀那岐神社をいただき、その配下に二つの溜め池を山腹に擁する。 「ダム便覧」掲載の溜め池でもあるが、同名の池が岐阜県大垣にもあり、…

奥里ダム(奈良県十津川)

JPOWERの水力発電用の取水堰堤で、アーチを描くコンクリート堰堤を越流する水が艶やかで美しい。現地の標識には奥里取水ダムの名が記されていた。堤高20.5m。ダムカードあり。 アプローチ路は1.5車線舗装路で特に難所なし。前後の渓での釣りは入漁券が必要。…

呉ヶ谷池(奈良県五條)

奈良県のため池データベース登録名「呉ヶ谷池」は堤高15m。 大蔵省所管? ダム便覧の記載なし。2012年ごろ、インレット側にヘラ台のようなものがたくさんあったが改修できれいに消えた。 立入禁止。

唐古池(奈良県田原本町)

高床式の楼閣がすっくと立つ池のたたずまいは、日本中の池を探してもここだけだろう。 もっとも溜め池が築造されたのは江戸時代、楼閣はそれよりはるかに古い2千年ほど前の建物を復元したものだそうで、時代のミスマッチがある。わざわざ池の中にコンクリー…

坂本ダム(奈良県上北山)

100m越えの高さを持ちながら、経済性を突き詰めた極薄アーチの緊張感が素晴らしい坂本ダム。 それにしても秘境感がすごい。ここまで1時間ほど走ってきて、すれ違ったのは三角の目をしたオートバイが1台のみ。 30年近く前になるだろうか。20代のころ、オー…

幾坂池(奈良県天理)

いくさかいけ。親里競技場。堤の一本桜。開花するとさぞかしみごとなことだろう。甲子園でも有名な天理高校野球部が練習する親里競技場と隣接。春は土手上の一本桜がみごと。 池は遊歩道があるがフェンスが張られ、「魚を取ることを固く禁じます」の看板があ…

馬田池(奈良県天理)

池名を冠した馬田池公園が隣接。 池は特に公園の構成要素にはなっておらずフェンスで囲まれているが、フェンス外のスペースに桜が植えられベンチが設置。

久保谷新湖(奈良県十津川)

まさに秘境。すさまじい地形である。 249名の死者を出した明治時代(1889年)の十津川大水害では、急峻な山体の深層崩壊によって、じつに53もの天然ダムができた。うち31湖は地名を付して「〜新湖」と名付けられている。 多くの土砂ダムはその後、決壊して二…

風屋ダム(奈良県十津川)

かぜやだむ。風屋貯水池。 電源開発が管理する水力発電用の堰体高100m級、巨大ダム。紀伊半島のヘソの位置にある陸の孤島ともいえる立地だが、ダムに沿う国道168号は年々、高規格化された道路区間が伸びており、昔に比べればアクセスは魔法の絨毯。 激しくの…

旭ダム(奈良県十津川)

あさひだむ。旭貯水池。紀伊半島の最奥部。秘境のアーチダムである。 発電アーチダムは秘境が似合う。 関西電力・奥吉野発電所における揚水式発電設備の下池。 紀伊半島最奥の十津川村に位置し、アクセス道は半島を縦断する国道168号。かつての酷道も大規模…