水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

奈良県

本郷溜池(奈良県宇陀)

老人ホームが隣接した大型の溜め池。堤からは「関西の軽井沢」こと大宇陀の里を見おろせる。池畔にはホームの住人たちが植栽したカキツバタ群落がある。 釣り禁止。 近くには、しだれの一本桜として有名な又兵衛桜や、本郷温泉、道の駅がある。 道の駅 又兵…

池津川取水ダム(奈良県迫川)

発電用の水を取水するハイダムスペックの堰堤。 紀伊半島の内奥を貫く国道から分岐し、さらに秘境へとひたすら悪路の舗装林道を進み、たどり着いたときの達成感たるや。 ほとんどクルマが通らないので、静かな時間に包まれて池ごはん。ヤキソバと冷凍うどん…

広芝池(奈良県宇陀)

なんという急傾斜の堰体。草を刈ったら緊張感あふれる姿が現れそう標高637mの単立峰・伊那佐山は水の神様として頂上に都賀那岐神社をいただき、その配下に二つの溜め池を山腹に擁する。 「ダム便覧」掲載の溜め池でもあるが、同名の池が岐阜県大垣にもあり、…

奥里ダム(奈良県十津川)

JPOWERの水力発電用の取水堰堤で、アーチを描くコンクリート堰堤を越流する水が艶やかで美しい。現地の標識には奥里取水ダムの名が記されていた。堤高20.5m。ダムカードあり。 アプローチ路は1.5車線舗装路で特に難所なし。前後の渓での釣りは入漁券が必要。…

呉ヶ谷池(奈良県五條)

奈良県のため池データベース登録名「呉ヶ谷池」は堤高15m。 大蔵省所管? ダム便覧の記載なし。2012年ごろ、インレット側にヘラ台のようなものがたくさんあったが改修できれいに消えた。 立入禁止。

唐古池(奈良県田原本町)

高床式の楼閣がすっくと立つ池のたたずまいは、日本中の池を探してもここだけだろう。 もっとも溜め池が築造されたのは江戸時代、楼閣はそれよりはるかに古い2千年ほど前の建物を復元したものだそうで、時代のミスマッチがある。わざわざ池の中にコンクリー…

坂本ダム(奈良県上北山)

100m越えの高さを持ちながら、経済性を突き詰めた極薄アーチの緊張感が素晴らしい坂本ダム。 それにしても秘境感がすごい。ここまで1時間ほど走ってきて、すれ違ったのは三角の目をしたオートバイが1台のみ。 30年近く前になるだろうか。20代のころ、オー…

幾坂池(奈良県天理)

【いくさかいけ】道の駅の景観要素にもなっている幾坂池(2024年6月) 池畔に道の駅が開業 甲子園でも有名な天理高校野球部が練習する親里競技場と隣接し、春は土手上の一本桜がみごとな池だったが、2022年に池の北側にホテルや歴史資料館が併設した道の駅が…

馬田池(奈良県天理)

池名を冠した馬田池公園が隣接。 池は特に公園の構成要素にはなっておらずフェンスで囲まれているが、フェンス外のスペースに桜が植えられベンチが設置。

久保谷新湖(奈良県十津川)

まさに秘境。すさまじい地形である。 249名の死者を出した明治時代(1889年)の十津川大水害では、急峻な山体の深層崩壊によって、じつに53もの天然ダムができた。うち31湖は地名を付して「〜新湖」と名付けられている。 多くの土砂ダムはその後、決壊して二…

風屋ダム(奈良県十津川)

かぜやだむ。風屋貯水池。 電源開発が管理する水力発電用の堰体高100m級、巨大ダム。紀伊半島のヘソの位置にある陸の孤島ともいえる立地だが、ダムに沿う国道168号は年々、高規格化された道路区間が伸びており、昔に比べればアクセスは魔法の絨毯。 激しくの…

旭ダム(奈良県十津川)

あさひだむ。旭貯水池。紀伊半島の最奥部。秘境のアーチダムである。 発電アーチダムは秘境が似合う。 関西電力・奥吉野発電所における揚水式発電設備の下池。 紀伊半島最奥の十津川村に位置し、アクセス道は半島を縦断する国道168号。かつての酷道も大規模…

瀬戸ダム(奈良県十津川)

瀬戸貯水池。 近畿圏最強の秘境ダムとも幻のダムともいわれる揚水式発電所の上部貯水池。 下池である旭ダムから直線距離では1.2kmほどしかないのに水面標高差は500mにもなることは確かにすごいが、ダムまでは舗装された管理道がついているので、じつのところ…

南池(奈良県天理)

奈良健康ランドに隣接する四角い皿池タイプの池。 釣り禁止。 奈良健康ランドは名阪国道の終点からのアクセスもよく、とてつもなく歴史の古い方形の皿池や古墳池が集積するエリアのただ中にあり、天平の甍香る水辺めぐりの際には、はずせないオアシススポッ…

二津野ダム(奈良県十津川)

ふたつのだむ。二津野貯水池。 電源開発(Jパワー)が管理する発電用アーチダムが堰く二津野貯水池は、のたうつ蛇のように大きく小さくうねりながら細く長く上流へとのびるダム湖。 右岸側に国道が沿うが堰体のあたりではダム湖ははるか下にあって、なかなか…

猿谷ダム(奈良県五條)

さるたにだむ。猿谷貯水池。 山深い。紀伊半島はまさに日本に最後に残された陸の孤島だ。未完成に終わり幻の鉄道となった五新線の終着駅が、ここ猿谷ダムの湖畔。 人里離れた山深くの大型ダムは電力会社の水力発電専用ダムが相場だが、猿谷ダムは国直轄。 国…

宮奥ダム(奈良県宇陀)

宮奥湖。宮奥ダム水辺公園。湖岸に貼り付くへらぶな釣り師が見える。 なぜかピラミッドのある、ゆるい空気が魅力のダム湖。 重力式コンクリートの奈良県営の多目的ダムが宇陀川を堰く宮奥湖。あまり湖名で呼ばれることはないようだが、のんびりとした雰囲気…

上野公園の池(奈良県五條)

こうずけこうえん。 アリーナのある総合スポーツ公園の構成要素として取り込まれた池。 よく見ると池の構造が興味深い。堤や取水設備らしきものは見あたらず、全体的に周囲の平地より一段低いくぼ地状の地形。流入部は紀ノ川から直接、短い支川が流れ込む。 …

九尾ダム(奈良県天川)

つづらおだむ。 関西電力の発電を担う重力式コンクリートダム。 ダムの上下流の天ノ川には県道が付き従い、渓相がよいこともあってキャンプ場銀座となっている。釣り場としても魅力的な川で、ダムの下流側はアユ、上流側はアマゴの漁協により行われている。 …

川迫ダム(奈良県天川)

こうせだむ。 楽しては得られぬ「ダム行者」の境地。 紀伊半島の奥深く、季節になると今なお白装束の行者さんの姿であふれる奈良県天川村。 天川といえば行者の宿としてひっそりと営業をつづけてきた洞川温泉が近年、若い人や外国人といった行者とは縁のない…

龍泉寺の池(奈良県天川)

大峯修行の玄関口にある池は、身を清める水垢離の場。 龍泉寺は大峯修行の玄関口。門前には川をはさんで行者たちが使った洞川温泉(どろがわおんせん)が軒をつらねる。 池はちょうど紅葉の盛りを迎えていた。標高800mを越えるこの地は麓よりひと足、冬の訪…

地獄谷新池(奈良県奈良)

地獄谷新池は春日大社を横目に、旧柳生街道の峠へと向かう滝坂の道を徒歩で行く。石畳もあり古い街道を感じさせる。 途中、夕日観音、朝日観音を経て一時間ほど歩くと池の下にある首切地蔵前の休憩所に出た。 そこからもう少し上り坂を進むと、堰体らしき土…

鏡池(奈良県奈良)

かがみいけ。東大寺。 国宝にはさまれた池に馬魚が泳ぐ。 東大寺境内にあり、運慶・快慶作の阿吽(あうん)の金剛力士像に頭を下げつつ南大門をくぐると、参道右側に中門と大仏殿を奥に鏡池が広がっていた。 大仏殿を池面に映しだし、鹿が草を食む光景はまさ…

鷺池(奈良県奈良)

さぎいけ。 猿沢池、荒池を含めた三段の最上段にある池。 周辺が公園として整備され、池の中にはじつに立派な浮見堂(観月堂とも。水上のあずまやのようなもの)もある。 また池畔に「洞水門(どうすいもん)」と呼ばれる水琴窟があり、無料で地底から奏でら…

名勝・旧大乗院庭園の池(奈良県奈良)

古都奈良の庭園池としては筆頭格にあるといっていいだろう。なんといってもこの庭を設計したのは、京都の銀閣の庭園を手がけた親子の父にあたる人。 庭園の主役といえる池は、西小池と東大池で構成され、赤い太鼓橋が紅一点を添え、三匹の亀の甲羅のような小…

古都奈良の水辺(奈良県奈良)

千年の古都奈良を代表する水辺といえば、まず猿沢池を挙げないわけにはいかない。五重塔を水面に映し、七不思議や伝説を持つ。舟を浮かべる神事も行われ、情緒、歴史ともに厚みをもつ。周辺には大仏池こと二ツ池、荒池など古都風情に包まれ、鹿が草を食む池…

荒池(奈良県奈良)

あらいけ。 これぞ、多目的ため池の鏡。 日本を代表する池を十挙げよと言われれば、古都奈良の甍(いらか)を水面(みおもて)に映す猿沢池をはずすわけにはいかないだろう。その猿沢池のよきサポート役のようにやや間を置いて付き従い、反対側を鷺池にはさ…

鴻ノ池(奈良県奈良)

鴻ノ池運動公園。 池の名が冠せられた鴻ノ池運動公園内にあり、池の正面に見える建物は武道館。園内には、ならでんスタジアムや陸上競技場などスポーツ施設が充実。隣接して、とりどりのプールを備えた奈良ドリームランドもある。 訪れたときは池の改修工事…

春日大社水源池(仮称)(奈良県奈良)

春日大社参道の横手にひっそりとたたずむ。 名前の分からない池だが、古都奈良を代表する池である猿沢池の水源をたどっていくと、荒池、鷺池とさかのぼり、やがてその水脈は二股に分かれ、かたや暗渠を経て地獄谷新池へ、もう一方は春日大社のあたりで地図上…

岩井川ダム(奈良県奈良)

いわいがわだむ。 古都奈良を見おろす防災の要所に建造された洪水調節用の重力式コンクリートダム。 奈良市街地からクルマで手軽にアクセスできる立地にあるが、洪水調節のため基本水位が低く、岸から水面の比高が大きく釣りやレジャー向きではない。 奈良の…