水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

大堤と新兵衛堤(山形県南陽)

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苗字帯刀も許された水守の集落。水林。

日本の滝百選のくぐり滝の奥にある二つの歴史ある溜め池。
江戸時代の米沢藩では新田開発のため水源林の保全を重視し、この一帯を禁伐林として高札を掲げ、さらにこれを監視させるために山守と水守(みずもり)の集団を住まわせた。現在は廃村となっている水林集落である。
くぐり滝の手前に駐車場と簡易トイレがあり、道は遊歩道に指定されているので滝と池を散歩することができる。ただ駐車場までのアプローチ路は舗装路ながら狭く通行注意。途中、小滝ダムもある。


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くぐり滝の駐車場

池はひとつ。大堤か新兵衛堤か。

現地では空撮を行なったが、一帯で確認できた池はひとつだけだった。
山形県のため池データベースには堤高12.3mの大堤が登録されている。なぜか所在地が「不明」となっているが、管理者が吉野川土地改良区とあるので、探している大堤か新兵衛堤と見て間違いないだろう。また、新兵衛堤の方は登録されていなかった。
廃村マニアの村影弥太郎氏の「水林」集落のレポート(2017)によれば、くぐり滝から少し南下して歩いたところに新兵衛堤の案内があるもののロストレイクになっていたとの記述と写真が見られた。総合して考えると、これは堤高12.3mの大堤とみてよさそうだ。

【参考】南陽市サイト

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マークした場所は駐車場。