熊本のボスキャラ的な池
237湖ある山鹿市の溜め池のボス格であるだけでなく、熊本県全体を見渡しても最大クラスの溜め池で、その成り立ちも濃厚な歴史ドラマが。
それだけに池の名にもバリエーションが多く、地図に出ている「蒲生の池」「蒲生池」のほかに現地の案内板や石碑で確認できただけでも「湯口大溜池」「湯之口溜池」「湯の口溜め池」「蒲生の溜池」という表記が。山鹿市公式のため池ハザードマップへの登録名は「湯の口ため池」となっていたので当稿ではこれを採用。
池を中心に蒲生の池公園として整備されている。
これだけ目立つ池にも関わらずハイダムとして認知されていないのも不思議だ。池の深さは30m以上あるというし、目視でも堤高15m以上は確実だと思う。
池自体が日本遺産構成文化財であり、史跡ということになっている。
白装束で堤の上に正座した夫妻
池の築造は江戸時代末期。この地区に赴任した代官が尽力。池の栓を抜く際には代官夫妻は白装束で堤の上に正座し、万が一、堤が切れたら命をともにする覚悟。村人が見守るなか、無事、放流は成功。
夫妻は死後も池を守る神となるべく、遺言で骨を堤に埋めさせた。今も堤の上に鎮座する神社は夫妻を祀ったものである。
池はボート、釣り、ラジコンボート禁止
駐車場と案内板は堤の上にある。
2020年のGoogle マップで工事だろうか、水抜きに近い極端な減水状態を確認。
池には鯉が放流され養魚場も兼ねており釣り、ボート、ラジコンボートは禁止。違反は罰金3万円。
古い切石製の樋が展示
改修工事の際に水路で見つかった石切によって造られた樋が展示されている。今でいうU字溝のような形状。
池自体が史跡なのだと謳う石碑もあった。
奇岩のある風景
近くには奇岩がそびえる不動岩も。
案内板によれば国家「君が代」に謳われている「さざれ石の巌(いわお)」は、この奇岩のことだとか。さざれ石は全国にあれど、確かにこれほどのインパクトがあれば説得力も増す。
Googleマップ
マークした場所は堤の上の駐車場。