水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

伏熊沼(山形県寒河江)

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2013年の伏熊沼。一見、まったりとした沼らしい沼だが・・

日本で一番、ドン深な「沼」?

蛇行する最上川が醸成した河岸段丘を見下ろす山中の溜め池。
ハイダムスペックを満たすアースダムの堰体が堰く貯水池で伏熊ダムとも呼ばれる。ドン深のハイダム湖なのに「沼」の名を持つ変わり者。本来、「沼」という言葉は水深の浅い天然沼沢を表す言葉。
初めて訪れた2013年は、なみなみと水をたたえた姿に接し、まったりとした沼感に浴した。
ヘラブナ釣り場として地元の釣り愛好会が清掃など管理の一翼を担っており、釣り桟橋が設置され、舗装駐車場、簡易トイレ、休憩所もあり、有料ではあるものの一度は竿を出してみたいと思っていた。
2021年、何となく胸騒ぎがして再訪してみると、水が完全に抜かれ大規模改修のさなかだった。魚たちがどうなったのかとか、今後、釣り場は復活するのかとか心配が胸をよぎったが、目の前に広がる伏熊沼の姿は衝撃的でもあった。

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2021年、水抜き状態の伏熊沼

なんというドン深。水面下がこんなことになっているとも知らず、やれのんびり竿を出したいとか・・実態は、命がけで竿を出す感じじゃないか。
池に水が貯まらないよう黒いパイプが大蛇のように池底を這いながら底樋に直結。あらためて2013年の写真を見る。ハイダムスペックなのに洪水吐さえない自然護岸の溜め池が、よくぞ今まで「沼でござい」という顔をして無事にやってきたものだ。
ボックスカルバートのような巨大洪水吐が設置途中。新規設置の導水路がはるか下までのびている。
改修工事完了後、あのまったりした釣り場は復活するだろうか。


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同じ場所から堰体部を見る。2013年(左)と2021年(右)


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2021年の改修工事
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2013年の伏熊沼の駐車場と掲示板など


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土地のスーパーで買ったワンカップ酒。土地の池が育んだめぐみを土地の酒で


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マークした場所は駐車場。