【はえばるだむ。池田ダム】
外来魚のみならず熱帯魚の楽園だった時代も・・
池田ダムとも呼ばれる。国場川の水源近くにあり、農業用と思われるアースダム。ただし「ダム便覧」での記載はなく、堤高は15m未満の可能性も。貯水池は与那原町、南風原町、西原町の三つの町の境界上にある。
取水設備らしき池畔の建物を防護する有刺鉄線付きのフェンスに掲げられた立入禁止看板の名義は「南風原町役場」。10年以上前、2006年ごろの改修工事についてタウン情報サイトに、親水公園としてリニューアルするのではと期待をこめて書かれていたが、いまだその夢は実現したようには見えなかった。
ただ、よく見るとぼうぼうの草に埋もれてはいるが、堰体前法面の緩傾斜部分に階段状護岸も見えるので、親水機能を持たせようとした事実はありそうだ。探鳥地としても地元では認知されているようである。
ここはまた高速道路のインフラ名所でもある「南風原21連アーチ」が池に付き従う。なんでもアーチ橋としては世界最長を誇るそうだ。高速高架道をわざわざアーチにした理由は分からないが、池の景観を引き立ててくれていることは間違いない。
嶋津信彦さんの『沖縄島の外来魚ガイド第二版』では、南風原ダム貯水池で1970年ごろに外来魚の養殖が試みられたという興味深い事実が記載されている。草魚、鯉、ナイルティラピアのほか、鮒もいたようだ。養殖の対象となるとヘラブナ系であろうか?
さらに21世紀になって、ヒレナマズ、グラスフィッシュやシクリッドなど観賞用の熱帯魚も見られるようになったとか。外来魚だけでなく熱帯魚博物館のような池だった時代もあったことは分かったが、さて現状はどうであろう。
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堰体にも斜樋や底樋らしきものが見られた南風原ダムですが、右岸側に二棟のコンクリート小屋を備えたポンプ設備らしきものがあります。
ここから池に向かってジャングルジムのようなパイプが2セット据えられています。見たことのない方式なので興味を持ちました。