サプライズ返し?
妻との数少ない、というより唯一かもしれない共通の趣味、地酒。二人で一升は呑む。
蛭藻沼や牛沼など秋田県横手の素晴らしい野池たちの池参りをしたあと、妻へのサプライズのつもりで訪れたのがここ横手市浅舞。
妻との間では長らくお気に入りナンバーワンだった「楯野川」(楯の川酒造・山形県酒田)の王座を最近奪ったのが「天の戸」(浅舞酒造・秋田県横手)。
その酒を醸している酒蔵に、何も言わず連れて行こうと画策したのである。
現地に近づいても、それと悟られぬよう池を探しているふりをしながら、枯淡な商店街をゆっくり進んでいると、白壁に「天の戸」の文字が見えた。妻に気取られぬよう少し遠巻きに、ハザードランプをつけて仮停車すると、目の前にこんな標柱が!!
「県天然記念物 トゲウオの生息地 湧水の琵琶沼」
思いもよらぬ町池に
この池はまったくノーマーク。存在さえ知らなかった・・。
サプライズをするつもりが、自分でサプライズしちゃってるのだから世話ない。
しかも、近づいてみれば、この町をずっと昔から潤してきた清冽な湧水の池だった。
銘酒「天の戸」を育んできた水なのだろうか。ますます、この酒が好きになった。
池のすぐ近くに浅舞酒造の古い酒蔵があり、登録有形文化財に指定されている。


「手が震えたよ・・」
のれんをくぐってみようとしたが閉まっていた。
妻ともどもがっくり。
この酒蔵の酒はなかなかうちの地元では手に入らない。あまりよそに卸さないとも聞いている。
この後、近くの道の駅を二件はしごして天の戸を探す。妻がわなわなしながら帰ってきたかと思うと、
「あった・・。しかも亀の尾。手が震えたよ」
天の戸はたくさん種類があり、季節限定も多いので全種類呑んだわけではないが、目下、われわれがいちばん好きなのは「亀の尾」。黒ラベルに号泣。宝。




トゲウオは、イトヨ、トミヨ、ハリヨなどの総称で、清冽な水を好むことから全国で生息地が激減しています。その生息地は天然記念物指定されることも多く、地域住民の手で大切に守られています。
ここ浅舞のように町のどまんなかの町池でありながらトゲウオが生息しているのは貴重ではないでしょうか。この土地ではトゲウオのことを「ハリザッコ」と呼ぶそうです。
似たシチュエーションでは、福井県大野の本願寺イトヨ生息池がありますが、町池というよりは水路のような感じなので、やはりここ琵琶沼はすごいと思います。
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マークした場所は、天の戸酒蔵前の市営無料駐車場。池は北東50mに。