水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

吉池旅館の庭園池(神奈川県箱根)

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吉池というホテル内の池だけど「吉池」ではない

箱根湯本のホテル「吉池」の庭園内にある池。ただ吉池はこの池名ではなく、創業家の出身地の新潟に由来。
池に会うためにはホテルフロントで庭園の入園料を払う。日帰り入浴と庭園散策のセット入場券も。売店に錦鯉のエサも売っている。夕方から紅葉ライトアップあり。

有形文化財の庭園

山月園と名付けられた庭園には、財閥・三菱家の別邸が現存。国の有形文化財
池泉回遊式の池はかなり本格的。園内のすみずみを潤すようにたおやかな人工渓流が水音をたてているが、それだけでなくお湯が湧き出す自家源泉が点在している。

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水路

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案内板

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生息する魚

ニシキゴイの他に日本産淡水魚もいた。

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ライトアップ

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国産水力発電発祥の地

ホテル吉池の建物前にも小さな池がある。この池、よく見れば築山の一角に「日本水力発電発祥の地跡 明治二十五年 国産発電機第一号」と刻まれた碑が立っている。
全国の秘境ダムともいわれる水力発電ダムも多く巡ってきたが、よもや歩いて行ける場所に水力発電発祥の地があったとは思いもよらず、ちるちるみちるの青い鳥、ほんとうにびっくり。コロナ禍がなければ、ずっと気付かなかったかもしれない。
正確には水力発電第一号は琵琶湖疎水(京都府)の方だが海外製の発電機を使っていた。一方、こちら箱根湯本では温泉街の電灯を灯すために据えられた水力発電機が国産だったということで、「日本(製発電機による)水力発電発祥の地」となったようだ。

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小屋のような発電所や、温泉街へと引かれた電柱も描かれている
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近くには現役の水力発電用ダムも

距離にして350mほど、歩いていけるところに土木遺産にもなっているレアなゴム式ゲートの水力発電用ダムもある。

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なぜに吉池なのか

さて、この立派なホテル、なぜ吉池の名を冠しているのか?
ホテルの方に訊ねてみると、なんでもルーツは上野の「吉池」スーパーにあり、さらにその源流は創業者の出身地である新潟県松之山に吉池という池にまでさがのぼれるとか。
ただ、松之山のおもだった池はすでに見てまわったが、ヨシイケという名の池は知らない。
吉池の創業家のルーツは松之山でも中尾という集落。雪深い山あいの集落であるが、じつは平安時代の大伴家持にちなむ伝説のある鏡ヶ池という池があったりする。とすれば、スーパーの名もホテルの名も吉池ではなく鏡ヶ池になっていそうなものだが。ただ、高橋家が掲げていた屋号が「吉池」というものだったらしい。
25kmほど離れた新潟県内に、よし八池(ヨシハ池)という不思議な名の池があるが、関連性を見い出すにはさすがに遠すぎか。

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Google マップ

マークした場所は、日本水力発電発祥の地の碑。