水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

柳久保池(長野県長野)

やなくぼいけ。

2024年11月撮影

シナノユキマスの希少な天然の野釣り場

山奥の小さな天然湖で、当初は最深部が40mほどあったとの話もある「超ドン深」も湖岸の地形を見ればうなずける。集落奥の立地とあいまって桃源郷感のある魅惑の水辺だ。
戦後、コイの養殖が行われたが、現在は数少ないシナノユキマスが釣れる池として知る人ぞ知る存在になっている。


柳久保池の形態

成因タイプは堰き止め湖

江戸後期の善光寺地震が引き起こした山崩れによって柳久保川の谷間が塞がれて生まれた天然の堰き止め湖。
類例では関東大震災でできた震生湖(神奈川県秦野市)がある。

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集落は堰き止め土砂の上に

柳久保池を形づくった堰き止め部は、地震によって生じた地すべりによるものだが、この地すべりでは民家18戸をのせたまま動いたという。
今でも池の直下には十軒ほどの集落がある。

東岸に舗装路

東岸側には舗装路が追随している。またバックウォーター側にクルマで下ってボートを出艇できる場所もあるようだ。航空写真で確認できる。

2013年の柳久保池




 

魅惑の野釣り場

シナノユキマス

シナノユキマスはポーランド原産の湖沼性のマス類。鮮度保持が難しく一部の駅弁をのぞいてほとんど流通していないが、独特の香味があり美味。


シナノユキマスの放流湖

柳久保池のほかに把握している範囲では、立岩湖、松原湖、中綱湖、白樺湖、加和志湖、青木湖の7つの湖沼に放流された経緯があるが、シナノユキマス釣りでもっともホットなのは立岩湖だろう。

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ヘラブナ放流と釣りルール

ヘラブナは2024年11月に300kgが放流されている。ほか、ブラックバスも生息するが桟橋での釣りは禁止。遊魚料必要。
11/1〜3/31はシナノユキマス保護のため禁漁期。
下の写真は、上段2枚は2024年。下段2枚は2013年。

 

柳久保池のアクセス

狭い急坂の道だが全線舗装

アクセス路は狭く急坂の山道が続くが全線舗装されている。2013年の初訪時は悪天候のため池の奥までは進めず、確認できた駐車スペースは2、3台程度。
2024年11月の再訪でも、また大雨直後。今度は北側の林道からアクセスしたが分岐には「柳久保池」を示す道標もあり(下写真)、全線舗装されていた。

2013年の思い出

探訪時は雨が降っていたので引き返すか迷ったが、有名な釣り場だから大丈夫だろうと入っていって後悔した。転回場所を求めて池の奥に進んだところ、落石があって間もないと思われる大きな岩に道をふさがれ、延々とバックして戻らねばならなかった。雨は強まり、土砂崩れに怯えながら後ろ向きの撤退。




 

Googleマップ

マークした場所は、バックウォーター側アプローチ入口。