【八汐調整池。やしおだむ】
秘境に隠された世界一のアスファルトフェイシングダム
八汐ダムはアスファルトフェイシングダムとしては、世界一の堤高をもつ。蛇尾川ダム(さびがわだむ)を下池とした大規模揚水発電を行なっている。ダム湖名は「八汐調整池」であり、「八汐湖」はまったく別の川治ダムの貯水池なので、いたって紛らわしい。
秘境とはいっても、国道からの最短距離はわずか1.3km。
舗装林道も整備されているし、それなりに見る方法はありそうだと思っていたが、空撮もことごとく失敗してきた。
長年、見てみたいと願っていたが、なかなか到達できない。それは距離だけでは測れない地形にあった。下の絵図を見れば実感してもらえるだろうか。
アプローチ路は歩行者も通行禁止
アプローチ路は国道400号から分岐する安戸山林道、八汐林道をハシゴし、全線舗装路ではあるが、入口に頑丈なゲートがあり関係者以外通行禁止の看板が掲げられていた。
自転車や歩行者は通行できるケースもあるが、この林道は歩行者も通行禁止となっている。
けっきょく登山路のある安戸山を登って高度と距離を詰めながら、ダム湖の姿を捉えられる空撮ポイントを探すしかないようだ。
安戸山の山頂へ
林道から山頂へは再び急登。
ロープで登るところもあったり、痩せ尾根を歩いたり。
大汗をかいたが、山頂はまったく眺望なし。木々が濃くて冬場でもなければ空撮も難しい。
フライトスポットを探すべく別の下山ルートへ。
かろうじて捉えた調整池
フライトスポットを得て、といっても足場が悪く、ハンドローンチ。かろうじてダム湖の姿を捉えることができた。
ただ、世界一のアスファルトフェイシングな堰体は見えず。
地形や登山路、林道の状況が把握できてきたので、別の機会に作戦を練り直して出直すつもりだ。
下の写真が地形がよく分かる。左端に国道、右端にダム湖がちょっとだけ見えている。直線距離は短かいのに秘境ダムなのは、この地形ゆえ。
次回アタックのヒント
この盲点をつくしかない? ふふふ。
アタックデータ
アスファルトフェイシングダムとは?
アスファルトフェイシングダムはロックフィルダムの一種で、正式には「表面アスファルト遮水壁型フィルダム」といいます。
堤体を構成する岩質・土質の透水性が高い場合、表面を舗装することで遮水性を確保します。小規模なアースダムの溜め池などでは、貯水面をラバーで覆ったラバーフェイシングなんていうのもあります。
アスファルトフェイシングダムの二位も、意外に近くあったりします。15km ほど北東の山中にある深山ダムですが、八汐ダムと違ってウェルカムな感じで駐車場も充実しているので、アスファルトフェイシングダムをじっくり見たいならうってつけでしょう。
もっとアスファルトフェイシング感を堪能したいなら、深山ダムの上池にあたる沼原ダムがおすすめです。こちらも登山口になっていることから、ウェルカム感のあるダム湖になっています。
Google マップ
マークした場所は道の駅。