【おおまただむ / 旧大岐調整池】
これぞ真の廃墟ダム?
最近は廃墟も観光地化する時代となっているが、ここ大岐ダムは今のところ本気の廃墟ダムである。もっともダム入口に「伊南川発電所の送水管」の案内板が立っているので、すでに観光スポット化は始まっているのかもしれない。
堰体の下を通る太い鉄管はサイフォンで谷を伏せ越すためのもの。この水路管も池も水力発電設備だったが、ダム式ではなく水路式発電。重力式コンクリートダムは落差を利用するダム式発電ではなく調整池とのこと。
しかしこの調整池は水路管とどう接続され運用されていたのか見えてこない。
堰体の左岸側に水門のようなものが一門あるのみ。ただ、左岸側にあった建屋は壁を一枚残して取り壊されていて、往時の姿ではない。
1972年には調整池としての役割を終えて東北電力から金山町に移管されたものの、活用されることなく廃墟化が進んでいる。
それでも今なお満々と水をたたえ独特の魅力を放つ池でもあり、今後、親水機能をもった土木遺産としての活用が望まれる。