水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

鵜の池(鳥取県日野)


コンクリートダムなのに不思議な池伝説が

海抜400m、周囲4km、水深16mの発電用貯水池でありながら、山火事のあとに一夜にしてこの池ができたという池伝説もある変わりダネの池。山上の天然湖の風貌ではあるが、現在の姿は人工のコンクリート堰堤によるものである。

現地の案内板には奇妙な話が記されている。この池に落ちて死んだお藤という女性にまつわる伝説で、友人とわらび採りの際に池に落ちたというが、沈んでいくとき友人に微笑みかけたという。翡翠のように青い湖面と、お藤の透き通るような白い顔との対照が強い印象を残す話である。
となると、もともとはアース堰体で溜め池だったと考えられる。天然湖由来の可能性もあり興味深い。さらに水深16mだし、見た感じもハイダムに見えるが「ダム便覧」の掲載もない。しかも、かなりカッコいい。
2022年に再訪したところ、湖畔のキャンプ場がちょっとカッコよくリニューアルされていた。また2016年の鵜の池マラソンでは女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんを招待選手に招いたことが顕彰碑になっていた。
オシドリ飛来池。


ちょっとオシャレになったキャンプ場(2022年)。右端の写真は2013年のもの。


 

発電用調整池としての顔

通常の水力発電用調整池であるが、地形や立地的には揚水式発電の上部調整池を思わせるものがある。

流入口

8km離れた大宮ダムと地下導水管でつながっており、キャンプ場側の放水口から放流されている水は同ダムからのもの。


bunbun.hatenablog.com

取水口

放水口の対岸に取水口があり標高差200mほど下の日の川へと導水管がつながっている。発電はここで行われる。


 

池の景観





 

Google マップ

マークした場所にキャンプ場。