この一帯の相馬の野池に施されていた令和時代の改修によって、独特のアースダムの顔付きが生まれている。
黒くカバーされたサイフォン管が堰体を這う。近くの滝の沢溜池では三本。ここ坂下溜池は一本だが、まだ工事中だったので今後増やしていく予定のように見える。
この方式は奈良時代からずっと土盛り溜め池の鬼門であった底樋管を必要としない点ですごいと思った。堰体の管理と取水運用を切り離しすことができるし、つねに水温が高く酸素が豊富な表層水から取水できるメリットもあり、今後、令和の溜め池の新しい改修スタイルになっていくのか注目したい。
相馬の野池で見た新しい取水設備
坂下溜池には工事中の看板が掲げられ、サイフォン式の取水管は一本。湖面に浮いた四角い取水口は大小の二つ。
看板によると工事名は「揚水ポンプの新設工事」とある。サイフォンによる自然流出とポンプを組み合わせた取水方式のようだ。
以下、写真で特徴を見ていこう。