水辺遍路

訪れた全国1万1,700の池やダムを独自の視点で紹介

越知山の殿池(福井県越前)


織田信長が馬ごと落ちた山頂の池

殿池は、奈良時代の登山家であり宗教家である泰澄(たいちょう)が開山した越知山(おちさん)の山頂近くにある池で、越知神社奥之院の構成要素となっている。
麓の織田盆地(織田の里)は戦国武将・織田信長のルーツの里でもあり、一方で信長による徹底的な一向宗徒制圧の戦場ともなった。信長が愛馬とともに池に落ちたという「殿池」の池伝説は、そんな背景がもとになっているようだ。


殿池の形態と景観

越知神社

殿池の池畔には御神木もあり、池が御神体的な役割を担っているとも考えられる。
神社の入口に池があり、池畔の鳥居から階段を上がると本殿。鳥居は原木を使った荒々しくワイルドな立ち姿。



池の水源①?(御前水)

山頂なのに「御前水」という湧水が。これらの湧水が殿池の水源と考えられる。

池の水源②?(御神木)

開山の祖である泰澄大師が植えたとの伝説もある栃の木。湧水、つまり池の水源はこの巨樹がもたらしているという言い伝えもロマンチック。いや、ぜひそうであってほしい。

流出口?

うーん。木の杭で栓をしているようにも見えるけど、まさかね。工事関係者を待たせており、時間がなくて精査できなかった。

殿池の形態

池岸は一部、丸太の土留め護岸が施されているが、もともとは土石の自然岸のようである。
堤で堰き止められたような構造も確認できず、人の手で掘られたものならば、水が涸れることなく何百年もこのサイズで平衡を保つのは難しそうだし、天然沼沢由来の可能性もある。
山頂部のくぼみに立地し、天水が集まりやすい構造とはいえ、山頂だけに集水面積は小さい。特に流入する沢や流路も見あたらず、池底に湧水口でもあるのだろうか。こういった山頂の池は日本各地で散見されるが、いつも不思議な気持ちにさせられる。
近くにある蛇が池も、やはり山頂に立地する池。



 

織田信長の池伝説

現地案内板による池伝説

以下、案内板より抜粋。

殿池
名称の由来は、織田信長公の乗馬がこの池に落ちた事からこの名がついたと云われています。別名「雨乞いの池」とも云われ、干ばつのときには信長公の馬の鞍を引き上げ、池の畔のボタン桜の大枝にかけて祈祷すると、必ず雨が降ったそうです。

殿池の別の池伝説

信長公が落ちたという池伝説とは別に以下のような伝説も。「織田文化歴史館デジタル博物館」より抜粋。気になるのは、火口湖と記述されている点。

小川から山に入る林道を200m程登ったところに「馬どめ」という所があります。そこは、大昔、日野山と越知山(おちさん)とが背くらべをし、どちらが高いかあらそった時、どうも越知山の方が、馬のひずめだけ低いことがわかりました。
 或る時、えらいおさむらいさんが越知山に登ろうとしたところ、この馬どめのところまで来たところ、どうしても馬が進まず、仕方なしにおりて、馬のひずめとくらを山の頂上に向って投げました。ひずめは一番高いところに落ちて、その分だけ山が高くなり、村の人はやっとこれで日野山と同じ高さになったと喜んだと言うことです。でも本当は日野山の方が大ぶん高いのですが、昔の人は山の高さをはかることができず目ではかったので、こんな話が生まれたのでしょう。
 それから、馬のくらは低いところにおちて、その時以来、その場所に水がでるようになり池になったと言われます。きっと今のこっている殿池(とのいけ)、火山口のことを言っているのでしょう。

www.town.echizen.fukui.jp

信長公が関わった池

最初の蛇池の伝説は信長公の徹底的で強引な性格を表しているが、ほかの池たちもこうして並べてみると信長公に滅ぼされたり殺されたりといった血腥い池ばかり。

bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com




 

殿池へのアクセス

越知山山頂へのアクセス路入口

アクセス路は1.5車線の舗装林道で、山頂の池端までクルマで行ける。

冬は雪で・・

初訪の2025年1月はアクセス路の登坂中、雪のために進めなくなった。

秋の再訪で

2025年10月に再訪した際は工事でトラックが道を塞いでいたが、どうしても頂上の殿池に行きたいんだけどと伝えると、工事監督から短時間なら行っていいよと許可をもらい、どうにか到達。

アクセス路途中の湧き水

アクセス路途中には湧き水もあった。


殿池に到着

クルマで、べたべたに池まで行けた。ちょっと拍子抜け。

トイレ

池畔に立派なトイレがあるのは、中部北陸自然歩道というロングトレイルの一拠点なので。



 

案内板

アクセス路入口の案内板(2025年1月)



 

マップ

ニッポン湖沼図鑑マップ

Googleマップ

マークした場所に駐車場。