ものぬぐのいけ。
敗走の際に武器を池に捨てた
草津白根山には、湯釜を筆頭に爆裂火口湖の形状をもつ水釜、弓池、鏡池といった山池があり、やや下った山腹の国道近くに、富貴原の池(ふうきはらのいけ)、武具脱の池(ものぬぐのいけ)といった池がつづく。
形状から「ひょうたん池」の別称もあるが、武具脱の池の名はその名のとおりの伝説が残る。天下取りを成し遂げ旭将軍の異名をとったものの60日間で源頼朝率いる鎌倉勢に敗れた木曾義仲の残党が、敗走する際に池に武具を捨てたそうだ。
義仲自身は京都の宇治川で敗れたあと、滋賀方面に逃げる途中、池のように深くなった田に馬の足を取られて討死したというから、武具脱の池との直接の関与はなさそうだが。
武器を池に捨てた類例としては、西南戦争のおりに西郷軍が洞窟に隠していた武器を政府軍が池に捨てたという住吉池が鹿児島県にある。
木曽義仲に因縁のある池は全国に
それにしても木曾義仲という人は、何かと関係のある池が多い。
生誕伝説がある埼玉県嵐山の木曽義仲産湯の清水、彼が男泣きした石川県加賀の首洗池、居城のあった長野県上田の須川湖、火計の牛で知られる倶利伽羅峠の不動ヶ池(石川県)、そして残党が敗走したここ群馬県の武具脱の池と、その波乱万丈の人生とともに各地にゆかりの池が点在する。
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アクセスは遊歩道+木道
池にアクセスする遊歩道の入口がロープウェイ山麓駅近くの国道沿いにある。池までは下りで5分ほどと手軽だがバリアフリーではない。
2018年の噴火以降、規制がくり返し行われているので、事前に地元ウェブサイトなどで状況を確認したい。
Google マップ
マークした場所はロープウェー駅(廃止)。国道を渡ったところに遊歩道入口あり。