【ほどのおいけ / 程野御池】
林の中に真っ黒な水面。神秘性に圧倒される
標高1,500mの山中のすり鉢状のくぼ地にある周囲長200mの池。水深は4mもあるとのことだったが、落ち葉に覆われた池畔に立つと、真っ黒な水で深さをうかがい知ることはできなかった。それにしても吸い込まれそうな黒だ。こんなに水の黒い山池には会ったことがない。落ち葉から滲み出たタンニンがひたすら濃度を増して、こんなブラックウォーターになったのだろうか。
古くから雨乞い神事が行われていたといい、池伴場池大明神が池畔の一角に祀られ、現在も十月後半の日曜に例祭が行われているそうだ。池を取り囲む林の中でひときわ太く立派な大杉がすっくと立っていて、御神木のように紙幣がかけられていた。
池への入口に案内板があり、池までは徒歩で200mほど下る。
成因タイプは断層湧水湖
流入する沢は見あたらず、すり鉢状になっているので天水がおのずと集まったとも考えられる。湧水が水源の可能性もあるが、はっきりとした湧出口は確認できなかった。
飯田市美術博物館の坂本正夫研究員のお話では、この池は「程野お池断層」上に地下水が堰き止められてできた断層湧水湖とのこと。年間の水位変化は小さく、近くの中郷御池の水位変化が大きいのと対照的である。(中郷の御池は堰き止め湖)
吐き出し
吐き出し側には小さな木橋が架けられている。
流れ出しの下は林道をはさんで渓流。
池伴場池大明神
「御池」の名を持つ池は全国で見られるが、神がかりの霊池であるケースが多い。近くには「中郷の御池」という山池もある。
ほか、飯田には「野池神社」という神秘的な池を伴った神社も。
bunbun.hatenablog.com
bunbun.hatenablog.com
程野御池へのアクセス
蛇洞林道から市道上村1号へ
市道上村1号は冬季通行止めだったため徒歩で進んだ。
程野山林道の分岐
池の案内板のある正規の入口は市道上村1号を道なりに進む。
あとで分かったことであるが、程野山林道を進んでも池に手早くアクセスすることができた。池の吐き出し直下に林道があり、流出用の側溝が設けられているので目印になる。
案内板のある入口
地図上にマークした場所が入口。
イラストマップ