水辺遍路

実際に行った池やダム 9,800ヶ所を掲載

御池岳の山池(真の池)(滋賀県東近江)

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製作途中ですが、現地調査を含めて完成まですごく時間がかかりそうなので。鈴鹿山脈の山池 ver2.0 / 2019.12

それは山上の空母。テーブルランドの空中庭園に点綴する、魅惑の山池群

池が名に冠せられた山は、池好きにとってみれば特別のものがある。隕石クレーターのある長野県の御池山(1,905m)も心躍るが、東海と近畿を隔てる鈴鹿山脈にも、堂々、御池岳(1,247m)がある。しかも鈴鹿山系十座の最高峰。水は低きに流れる。池もまたしかりであるが、池の名が付く山が最高峰というのはどういうことであろうか。
この山を流れ下る水は御池川となり、刻まれた谷は御池谷。池尽くしに加えて、雨乞い信仰もあるとなれば、居ても立ってもいられない。
とはいっても千メートル級の低山とはいえ、登山準備は必要。まず地図を買った。
じつは山上のテーブルランドが思ったより広く(空母どころではない!)、道や踏み跡が幾筋もあって、ナビがあっても池が見つかるまで草原を迷走。
御池岳のみならず鈴鹿山脈には他に山池がいくつもあるが、『山と高原地図 御在所・霊仙・伊吹 (山と高原地図 45)』は全域をカバーしてくれているので、ぜひ持っておきたい一冊。

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滋賀県側から見た御池岳


 

秋は「日本庭園」、冬は「青のドリーネ」を彩る山池

御池岳の山頂は闊達な高原台地になっており、膝下ぐらいの草原のところどころに墓標のように岩群が立つカルスト地形だ。昔は笹原で見通しがきかなかったというが、火事でこのような姿になったというからケガの功名か。
ゆるやかに起伏する台地、遮るもののない青い空、そして岩、苔、池といった要素が並び、初夏や秋には永遠のような景観を呈することから、山上の「日本庭園」とも呼ばれる。
カルスト地形に発生するドリーネ池については拙著『日本全国 池さんぽ』や当ブログの南大東島(沖縄県)の項やにも詳しく書いたが、石灰岩の浸食と陥没によって生まれる天然の池。御池岳の山池群はこれにあたる。
雪で覆われる冬場には、白銀一色の天上楽園に淡いグラデーションの影を落とすくぼみが「青のドリーネ」と名付けられ、冬山ハイカーの名所に。
ただ、見に行った人のほとんどは「青くないのに、なぜ青?」との感想をもつようだ。
この疑問については秋田八幡平の山池である鏡沼の事例が参考になりそうに思う。氷結した湖面が溶け始める限られた時期に「ドラゴンアイ」と呼ばれる現象が発生する。
ドリーネ池の水面がのぞくぐらいに雪と氷が溶けたとき、白銀の中にぽっかりと空を映した青が見えるか、あるいは、氷が透けるほど薄くなったときに下の水の色を移して青っぽく見えるのでは? ただ青のドリーネに冬場は水がたまるという前提ですが。
ドラゴンアイもそうだが、絶景となる瞬間は、凍結と積雪の溶融状態、空の色、太陽の角度などの条件がドンピシャでそろう針の穴のようなもので、もうひたすらその一瞬のタイミングを待って狙いつづけるか、よほどの幸運に恵まれていない限り出会うことは難しい。
「青」のドリーネを狙うなら、まず、雲のない晴天、雪が融け始める時期と時間帯だろうか。


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鞍掛峠の登山口

今回、登山口として使った鞍掛峠の西登山口は標高650m。トンネル手前に数台分の駐車スペースがある。

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鞍掛峠

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ここまで急登。20分ほどか。峠は三叉路になっている。御池岳は写真向かって右。まっすぐ行くとトンネル東出口へ。ここからは稜線伝いで眺望が楽しい

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鞍掛峠。やせ尾根を歩く


 

鈴北岳へ

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尾根道に立派な鉄塔が立っていた。鉄塔マニア垂涎? どこかヒョウキンなスタイルだが毅然としてカッコいい
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鈴養湖の眺望

途中、三重県側を見渡すと、鈴養湖がよく見えた。鈴養湖は中里貯水地が正式名称で、中里ダムが堰く人造湖。中里ダムは、なんと堤体の体積が日本一。見方によっては日本一、でっかいダムといえる。
鈴養湖の向こうの山は養老山脈。その向こうは岐阜県。

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まるで空母の甲板。山上テーブルランド

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空母の舳先にあたる。向こうには琵琶湖がどーん


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テーブルランド!


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鈴北岳


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対面の山肌を縫う道は国道306号


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テーブルランドからのぞむ霊仙岳


 

カルストの空中庭園

空母の甲板から御池岳側には、標高千メートルを越える山頂とは思えないカルスト庭園が広がっていた。通称、日本庭園。
ところどころにドリーネ池が点綴。これぞ法悦。池研究員としては失禁を禁じえない・・って何その日本語。
そういえば鞍掛トンネル西側登山口も含めて、ここまでひとつもトイレがなかったかもしれない。

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墓標のようなカルスト
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真の池

カルストの庭をゆるやかに下りながら苔の堆積した不思議な草原を御池岳の方に進む。ゆるやかな真の谷から御池岳山頂への登りにさしかかる手前に、小さな池があった。これが真の池であろうか。

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真の谷

 
 

御池岳の山池群

「テーブルランド」と呼ばれる山頂高原には、登山地図に出ている真の池と元池の二池のほかにも、ドリーネ池が多数あるという。
郷土資料では「山上平坦ニシテ三十余池アリ」とも。
他の池は今後、特定していきたい。

  1. 元池・・エントリー的な池。掲載済。
  2. 真の池・・当頁に掲載
  3. おはな池・・元池の西方のエッジにある
  4. 南池・・真の池先の分岐から南へ
  5. サワグルミの池・・そのすぐ南
  6. 平池・・そのすぐ南
  7. 中池・・そのすぐ東
  8. 丸池・・その南
  9. 風池・・御池岳山頂の南
  10. 幸助池・・ボタンブチの東
  11. 東池・・その東
  12. 青のドリーネ・・その南東。テーブル南端。
  13. 北池
  14. 道池
  15. 幻池
  16. ひょうたん池

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山レコonetotaniさんの御池岳の池めぐりマップ


 

ハンディナビの記録と調査過程

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鞍掛峠の西登山口から御池岳の元池、真の池をめぐっての往復。距離は7.8km、獲得標高は660mほど。御池岳山頂には行っていない。

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鈴鹿山脈の山池ve1.1と1.0。予備調査用の下書き。山池めぐりのときには、下調べをもとにした鳥瞰図を持って行き、現地で赤入れを行う





 

Googleマップ

Pマークは鞍掛峠の西登山口の駐車場