水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

お菊池(三重県菰野)

【御菊池、御池(みいけ)】

見た目は小池だが、ヤバそうな底なし感

お菊池は鈴鹿山脈の山池のひとつで、標高971mの三池岳の東尾根上、登山路近くの林間にあるヌタ場状の小さな池。御菊池、御池という表記も。
2019年の初回アタックは天候が微妙だったのと時間がやや遅かったので登山口とルートの下見で30分ほど歩く。急峻なので登山装備は必要。2021年秋に池に到達。
急坂を這い上がってゆるやかな尾根道い出ると、まばらな林間に落ち葉に埋もれるように池があった。
正直いって、えっ? これが? という小さな水たまり。ヌタ場を大きくしたような感じで、池というにはちょっと、と思ってしまうが、逆にいえばこの規模で水が枯れずに池の形態を保っているのは、じつはかなり異常なこと。
水源は湧水と思われるが、落ち葉が底に敷き積もっている。池にもう一歩近づこうとすると、靴が落ち葉ごと泥にのみこまれて肝を冷やした。岸にストックを差してみると、どこまでも入っていく。
これは落ちたらどうなるんだろう。怖くなって後ずさり。



三池岳と御池(みいけ)とお菊池

お菊さんの悲恋伝説でもありそうな池名にテンションアップだが、何といってもこの山名。三池岳というからには、三つの山上池があるのかと色めき立ったものの、菰野町のオフィシャルサイトに以下の解説を見つけた。

三池岳の名のいわれは、標高885メートルの地点に「お菊池」とよぶ雨乞いの「御池(みいけ)」がありますが、池は三つあるのではありません。昔から日照りの時に雨乞い神事を行った「御池」が「三池」に転化したものと思われます。近くの山で山頂に池のあるのは雨乞岳、御在所山、そしてこの三池岳です。
(菰野町オフィシャルサイトより抜粋)


 

流れ出し

流入口はない。湧水が水源と思われる。
吐き出しは急斜面側にあり、流れ出した水による侵食が見られる。


 

空撮による地形と周辺景観



三池岳山頂に向かってクサビを打ち込んだような三池谷。谷右側の尾根道をほぼ登りきったところにお菊池がある

下界側の菰野町


 

雨乞い信仰

鈴鹿山脈の山池は、どれも雨乞い信仰と深く結びついている。

尾根伝いの登山路。何度もヤセ尾根を通過する


 

お菊池へのアクセス

池さんぽマップ

お菊池までは八風キャンプ場上の登山者用無料駐車場から往復3時間ほど。キャンプ場の駐車場の無断駐車は罰金となるので注意。
都市から近くて比較的、攻略しやすい山池群であるが、夏期はヤマビルが出るという話もあり、雪が消えてから6月までと10月から冠雪までが最適シーズン。

作成途中の鈴鹿山脈の山池マップ(ver1.0)

登山者用駐車場

八風キャンプ場の上にある登山者用駐車場


駐車場の正面にある登山口は八風峠方面に行く道。お菊池へはこの道ではなく、少し引き返したところにある、もうひとつの登山口へ


こちらが、お菊池への登山路入口


5分ほど進むと三池谷を離れ尾根へと上がる登山口が。ここを右へ。


大崩落のため急登で迂回するルートを進む

砂防ダム

尾根道ではなく谷道を進むと砂防ダムに


小さな池ができていたが魚影は確認できず
 

 

Googleマップ

マークした場所は登山口の駐車スペース。