ダムマニア垂涎の難関ダムは自力到達できるのか?
北陸電力が所管する堤高16.2mの発電用ダム。
ローリングゲートを装備。ダムまでは有峰林道が通じているがマイカー通行禁止区間となっており、コアなダムマニア垂涎の地。北陸電力の協力でダムに達した先人たちによって写真やレポートがあるので、ここでは単独自力到達できるかチャレンジしてみた。
アタックレポート
折立の有人ゲート
百名山・薬師岳の登山口である折立キャンプ場のすぐ先に規制用の有人ゲートがあり、警備員さんに徒歩でダムまで行けるか訊ねてみたところ、釣り人が入渓のためよく入っているらしい。
折立キャンプ場
別に悪いことをするわけではないが経験上、立ち入りの微妙な場所では余計な疑念をもたれないことも大切なので、偽装用の釣り具(笑)をザックに詰め、その日は無料の折立キャンプ場にとどまり翌朝、日の出とともにダムまでの片道6kmの行程のアタックを開始。
ゲートからダムまで
道路は大型ダンプも通れる舗装路なので、渓流の水音を聞きながらすこぶる快適なすべりだし。起点の折立の方が岩井谷ダムより上流に位置するので、進軍はゆるやかな下り。熊が怖いので熊スプレーは手放さない。
そしてほどなく思いもよらぬ悪夢が始まった。
大型ダンプ、大型ミキサー車をはじめ、工事関係車両がぞくぞくとやって来たのだ。そのたびに離合スペースへ走って避難する。離合スペースが遠くて間に合わないときはガードレールをまたいで谷側でやりすごす。
だいたい数台から数十台の車列を組んでやってくるので、やりすごすのに時間がとられる。やりすごしたら耳をすまして進軍再開。なるべく早く車列の音を聞きつけ、すわ離合スペースまで走る。失敗するとかなり怖い思いをするので気が抜けない。
そんな調子でダルマさんが転んだ状態。少しずつしか進めない。いったい何百台の工事車両が・・日本屈指の一大治山エリアなのだ。
途中、ストレスのせいか激しい腹痛と下痢。虫に尻を襲われながら野に放たざるを得ない。おまけにダムはよく見えず空撮に頼らざるをえなかった。
なんともほろ苦い思い出のダム行路となった。