水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

多枝原池(富山県富山)

だしはらいけ。

「立山カルデラ四池」では最深の池

湖面標高1,450m。水深7mあり、立山カルデラ四池ではもっとも深い。
成因としては、江戸時代の安政飛越地震に起因する鳶崩れ(ウィキペディアでは「鳶山崩れ」と記載)によって生まれたとされる天然の土砂堰き止め湖。
常願寺川をはさんだ対岸にある泥鰌池も同時期同成因の兄弟池。
多枝原池では半世紀も前に放流されたイワナ、ギンブナが生息するという。ほか、クロサンショウウオ、モリアオガエル。
周辺は今なお日本屈指の崩落地形で大規模な治山工事が続き、池の北400mほどまで道路が通じてはいるものの一般車両は通行できず、徒歩では行ける可能性もなくもないようだが、現実的には到達が難しい池となっている。
今回は予備調査として南側の折原からの徒歩アタック+空撮と、北側の立山弥陀ヶ原の徒歩+空撮の挟撃作戦を試みたが、強風のため湖影を捉えるにはわずかに届かず。ただ条件さえ整えば確実に捕捉できることは分かったので、次こそ神秘の多枝原池の姿に迫りたい。

多枝原池と泥鰌池の位置関係がよく分かるジオラマ(立山カルデラ砂防博物館の展示物)


写真左上あたり、壮大な天面を見せる立山弥陀ヶ原と立山カルデラ。多枝原池は写真中央の山塊の裏側に位置する。この角度から大鳶崩れも見える