かんなこ。下久保ダム。
多面的な魅力で注目されるダム湖100選の人造湖。
水資源機構が管理する多目的ダムであるが、まんなかで直角に屈曲した重力式コンクリート堰体のめずらしさとコンクリートダムで堤長日本一の実績がダムファンを刮目させ、へらぶな、サクラマスをはじめ釣り愛好家やカヤッカーには水辺レジャーフィールドとして、また、夜間は関東最恐のミステリースポットとして長らく注目されてきた多面的な魅力をもった水辺である。
湖の上流部にはそびえたつような島々が点在し、仙境のような雰囲気がカヤックフィールドとしての魅力を放つだけでなく、広々とした中下流域は動力船の利用も認められている。
へらぶな釣り場としては北関東でも老舗であり、サクラマス、ブラックバスをはじめとしたルアーフィッシング、冬期にはワカサギ釣りができる。
釣りのポイントや駐車場、湖面利用ルールについては、神流湖のオフィシャルサイトにくわしい。
注目されすぎて地元では迷惑しているという話も。
ここ数年は肝試しなのかSNSのためなのか、夜間に訪れる若者が急増し、メディアなどに採り上げられ、地元にとってはあまりありがたくないネタであることも含めて困り顔。その対策として、ミステリーな雰囲気にはおよそ不似合いな曲を流すというアイデアが採用されたと、これもニュースで知ったのだが、実際に訪れてみると、なるほどスピーカーから音頭のような曲が流れていた。
しかしながら、静まりかえった湖に唐突な音頭の旋律が、かえってマニアックなオカルト映画のような恐怖を醸しているように感じなくもなかったが、それは一人だったからだろう。集団でやって来る若者たちに、ガクッとさせるだけの効果は期待できるのかもしれない。
もう十年近く昔の話になるが、夕暮れ間際の時間帯に湖岸をクルマを走らせていたとき、娘にカヤックをおろせるような降り口がないか見ておいてほしいと頼んでいたところ、湖面に下りていこうとする黒い少年が前方に見えたそうだ。近づいてみると降り口はなかった。そのときはおかしいねえ、と言っただけで終わった。
かなり後になってから、愛媛の心霊スポットであるダム湖がらみで、関東には神流湖というすごい心霊スポットがあるんですよね、と言われ、そのときのことを思いだした。