いかりだむ。五十里湖。
江戸時代に40年間だけ存在した幻の天然湖。
江戸からちょうど五十里(約200km)ということで五十里湖。読みは「いかりこ」と難読である。しかし、こんな粋な名前を現代人が付けるのも変だと思って調べてみると、なんとこの場所には江戸時代の一時期、現在の五十里湖よりも大きな湖面面積をもつ天然の堰き止め湖があったというではないか。なるほど江戸人ならば五十里湖という粋な名前も納得である。
日光大地震による土砂崩れで生まれたこの天然ダム湖、40年後に同じ土砂崩れで消失する。1723年(享保8年)8月、豪雨によって堰き止め部分の土砂が崩落し、下流の宇都宮まで押し寄せた水によって多くの命が失われたという。
地震による堰き止め湖の現存する事例としては、関東大震災によって生まれた震生湖や、江戸後期の善光寺地震での柳久保池がある。逆に地震によって海とつながってしまった事例は1498年の明応地震による津波で淡水湖から汽水湖となった浜名湖がある。
巨大消失湖となった五十里湖が、現代のコンクリートダムによって復活したと見るべきか、人造湖の下に幻の消失湖が眠っていると見るべきか。
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湖畔に鉄道の駅と道の駅。水陸両用バスも発着。
山深いダム湖であるが、湖畔には会津鬼怒川線の湯西川温泉駅と、道の駅がある。湖畔に並ぶように鉄道駅と道の駅をもつ水辺もめずらしい。
道の駅からは水陸両用バスが発着し、隣の湯西川湖の遊覧とダム見学もできる。道の駅内に日帰り温泉もある。
堰体側にも駐車場とダム資料館
釣りはトラウト類のほか、大型のへらぶなも。
男鹿川側のインレットから上流はヤマメ、ニジマスのトラウト釣りができる。(遊漁券必要)
はたき狙いで大物狙いのへらぶな釣り師もいる。
マークした場所は道の駅