水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

柳久保池(長野県信濃新町)

やなくぼいけ。
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江戸後期の善光寺地震が引き起こした山崩れによって柳久保川の谷間が塞がれて生まれた堰き止め湖。類例では関東大震災でできた震生湖(神奈川県秦野市)がある。

戦後、コイの養殖が行われたが、現在は数少ないシナノユキマスが釣れる池として知る人ぞ知る存在になっている。ただし、アクセス路は集落を抜けて行く狭い山岳路。
この集落はもともと地すべりで崩落した場所にあったが、地震後、川をせきとめた状態で安定した崩落土砂の上に再建されたもの。生活のたくましさを感じずにはいられない。

探訪時は雨が降っていたので引き返すか迷ったが、有名な釣り場だから大丈夫だろうと入っていって後悔した。展開場所を求めて池の奥に進んだところ、落石があって間もないと思われる大きな岩に道をふさがれ、延々とバックして戻らねばならなかった。雨は強まり、土砂崩れに怯えながら後ろ向きの撤退。

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なお、シナノユキマスはポーランド原産の湖沼性のマス類の魚。鮮度保持が難しく一部の駅弁をのぞいてほとんど流通していないが、独特の香味があり美味。柳久保池のほかに、立岩湖、松原湖、中綱湖、白樺湖の5つの湖沼に放流されている。


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<アクセス>
アクセス路は狭い山岳路が長く続く。探訪時は悪天候のため池の途中までしか進めず、確認できた駐車スペースは1台程度。
遊漁料600円。