水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

奇岩遊仙郷の蓮池(石川県小松)

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奇岩との取り合わせの見事さでは、日本屈指の池

岩屋の疑似「胎内くぐり」で、まっさらな自分に生まれ変わる。

奈良時代、霊峰白山で悟りを開いたお坊さんが、この地に岩窟を見いだし観音さまを据えた。
これが開基となり岩屋寺として時代とともに信仰を集めるが、平安時代に参詣した花山法皇は、まさに西国三十三ヶ所霊場にも匹敵すると感嘆し、一番札所・那智山と三十三番・谷汲山の頭一字ずつを取って「那・谷・寺」(なたでら)と命名したとか。
境内には擬似的な三十三箇所めぐりの巡礼コースも設定されており、所要時間はおよそ60分。岩窟を母胎とみなし、死と再生の輪廻転生を疑似体験する胎内くぐりによって魂を浄化し、まっさらな自分に生まれ変わる。
那谷寺は国の名勝に指定されており、俳聖・松尾芭蕉も参拝し「おくのほそ道」の中でも触れている。

 

奇石さまざまに古松植ならべて、萱ぶきの小堂岩の上に造りかけて、殊勝の土地也。


石山の石より白し秋の風

 

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境内の池でブラックバス釣り?

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2019年秋、すっかり人に慣れきったブラックバスが多く見られた。1〜2年の幼魚も見られたことから、駆除作戦はうまくいかず、繁殖を許してしまっているようだ

石仏を納めたいくつもの岩窟とそこに至る階段が刻まれた巨岩がそびえる那谷寺境内の遊仙郷・蓮池で、ブラックバスを釣りをした御年輩がいる。
もちろん遊びではなく、鯉の稚魚を放流するにあたっての駆除が目的で、この人はお寺の職員。
釣果はというと、10〜30センチのブラックバスが15尾ほど。バス釣りは初めてとのことであるが、その後、彼がバスフィッシングに目覚めたかどうかは不明である。
入場が有料の境内にあるこの池への密放流は難しい、というより、放流したところで意味がないので、おそらくは寺の上にある野池と通水しており、そこにブラックバスが繁殖しているということなのだろう。
寺の上には大小3つの野池がある。

那谷寺境内

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池にそびえる奇岩には磨崖仏が。昔は岩肌に沿ってスリリングな磨崖仏めぐりができた記憶があるが、2019年の再訪では入口が閉鎖され立ち入りできないようになっていた。左下の写真の鳥居が入口だったが柵が設けられている。
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2014年はこのように岩屏風に入っていくことができた


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2014年撮影


 

大好きだった案内マップが撤去されてしまった

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駐車場と案内板(2019年)


2014年に駐車場前にあった案内板。みごとな鳥瞰図に惚れたものだが、撤去されてしまったとのこと。

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刺激を受けて鳥瞰図を描き、年賀状にしたのが2017年


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看板のあったところには、改修で冠木門が新設された


マークした場所が無料駐車場。