【たねがいけ。種ヶ池、多弥ヶ池】
中国地方でもっとも深いのに「湖」ではなく「池」
鳥取砂丘とは県道をはさんで隣接する周囲3.4kmの天然湖。成因は、砂丘のすぐ隣にあるだけに砂丘湖と思っていたが堰き止め湖との見解が優勢。
名前に魅力のある池である。今の名は「多くの鯰」と書くが、「お種」という女性と蛇にまつわる伝説が池名の由来という説もあり、種ヶ池、多弥ヶ池という字面もある。
「池」という名称ではあるものの、周囲長3.4km、水深は15〜18mもあり分類するなら池ではなく、まずもって湖である。鳥取ではなぜか、西にある湖山池、東郷池も含め、明らかに湖スペックを持っているものも「池」と呼ぶ。
鳥取砂丘の真横という魅力の地形
池の南側はわりと高いところに湖岸路が通っている。ここから眺めると、池ごしに砂丘と日本海という不思議な光景が。
砂丘の横なのに、なぜ中国地方でいちばん深い池ができたのか不思議な気もするが、この深さが鍵。太古の火山活動によってできた不透水層がある。砂というわけではないのだ。
なお、砂の堆積によって池は少しずつ小さくなっている。
流入河川と流出河川なし。ただし・・。
多鯰ヶ池には不思議なことに、おもだった流入河川も流出河川もない。こういった池は水質悪化しやすいが、比較的、高い透明度を保っている。
江戸時代に排水路となる水路トンネルが掘られた。
水路トンネルが江戸時代に
江戸時代に隣の湯山池の干拓のために、多鯰ヶ池の東岸からトンネル水路が造られた。
このトンネルと干拓事業に関する屋外展示パネルとジオラマもが池岸に置かれている。
排水路入口
これが人工的に掘られた排水路の入口?
壊れたU字溝
これも水路の一部?
蛇にまつわる池伝説
池名にもなっているナマズだが、もともとの池名は「種ヶ池」で、伝説のスーパーバイトお種さんが主役。お種さんの正体はこの池のヌシの白蛇。池の浮かぶ島に住んでいたようだが、小島暮らしに退屈し、近くの庄屋さんの家に女の姿に化けてアルバイトに通っていた。お種さんは池畔の、お種弁天に今も祀られているし、小島は今も湖面に浮かんでいる。
ナマズはいる?
確かにナマズはいる。さらにコイ、マハゼ、ヨシノボリなど14種類の魚類が生息しているが、ブラックバス、ブルーギルなど外来種が9割を占める。へらぶなもいるようだ。
2017年には電気ショッカーボートを使った外来魚駆除も実施。
ワンド奥部は一面、スイレンのリリーパッド。
ボートスロープと駐車場
神社横にけっこうキャパシティのある未舗装駐車場と公衆トイレあり。
駐車場のこの道を下りきるとボートスロープあり。
案内坂
Google マップ
マークした場所はボートスロープ。