水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

燕趙園の天湖(鳥取県湯梨浜)

【えんちょうえん。東郷池】

ただの中国コスプレの池ではなかった。ディティールがすごい。

中国テイストな池の御三家

中国河北省と友好関係を結ぶ鳥取県が、超巨大「池」の東郷池ほとりに造った本格中国庭園。
その中心となっているのが天湖(てんこ)。案内板には、ほかに荷池(はすいけ)という池も記載されていたが、天湖と一体のものだったので、ここではひとつの池としてまとめて掲載する。
当初はもうちょっとライトな海外コスプレの有料テーマパークをイメージしていたのだが、湖山池とならんで鳥取の誇る巨大池・東郷池に接しているだけでなく、同名の道の駅(燕趙園)が併設されているとなれば看過するわけにもいかない。
道の駅からして中国風の建物。しかしこれは既存の建物を表面だけ中国風にしたハリボテ感は否めない。
と油断したところで、道路をまたぐ連絡橋の威容。ぱっと見ただけで何か違うと感じる。しっかりしたディティールの積み重ねが全体に滲み出る。

拙著『日本全国 池さんぽ』でも、東郷池とともに紹介。

入館料を払って門をくぐると回廊の先に池が見えてワクワクする。と思ったら、いきなり萌え系アニメから飛び出してきたような露出度の高いチャイナコスプレ服を着たうら若き女がシナをつくっている。ぎょっとしたら、プロカメラマンがポーズを指示していた。何かの撮影のようだ。
気を取り直して池にのぞむ。とにかくディティールが素晴らしい。
というのも、資材はすべて中国現地で調達、さらに仮組みまでしたものを、いったんバラして日本に輸送。中国人技術者の指導のもと、この東郷池畔に建設をするという徹底ぶり。これはもはやコスプレではない。本物。
そういえば日本の伝統的な庭園池の様式である回遊式泉水自体が、中国の池をモデルにしているところが多い。
望楼にのぼって天湖を見渡す。天湖とは塀をはさんだすぐかたわらには、広大な東郷池が広がる。池といっても湖周長12km。
塀をはさんで天湖と東郷池。
壮大な名ではあっても天湖は中味はやっぱり池だし、東郷池は「池」がつく湖沼では日本第二位の大きさ。そんなあべこべ感にひたる。
ドラマ『西遊記』ロケ地。
チャイナドレスレンタルあり。

塀のすぐ向こうに広がる東郷池。


円を描くような七星橋。日本なら渡月橋というところだが。



泳いでいるのはジャパニーズ錦鯉。ここは中国原産のソウギョかレンギョでいってほしかったところだ。


滝の裏には洞窟まである。



中国の門と東郷池のコラボ!


天湖と東郷池のコラボ!


エントランスには中国コスプレグッズが置かれていた。


ドラマ『西遊記』のロケ地にも。


道の駅との連絡橋も中国風。


連絡橋上から見た燕趙園全景。後ろは東郷池。


道の駅も中国風の建物だが、よく見るとディティールが燕趙園よりもコストダウンされているのもやむなしだが、少々安っぽい。


案内板。


横を走る山陰線。あれっ? 一両編成はよいとして、片側には運転台がない? 折り返し運転するときは、まさかターンテーブルにのせるとか? このアバウトさ。感激。


bunbun.hatenablog.com


マークした場所は道の駅。