水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

千原地下ダム(沖縄県伊是名島)

【せんばるちかだむ / 千原貯水池】

伊是名島で最大の貯水池。ダムカードあり

島全体が比較的平坦でサトウキビが基幹作物である伊是名島には、農業用の溜め池30基ほどが地図で確認できるものの、ため池データベースに登録されている9基にしても各池の貯水量はそれほど大きくない。
島の水不足を抜本的に解消すべく規模の大きい貯水池が必要とされ、地上ダムの「千原貯水池」を包摂する千原地下ダムが2008年に竣工した。
なお地上ダムのスペックは堤高14m、堤長479mとなっており、正確にはハイダムの基準に達していないようだが、ダムカードは発行されている。


 

千原地下ダムのユニークな構造

鋼矢板工法の塩水侵入阻止型地下ダム

鋼矢板工法による地下ダムと掘り込み型の地上ダムを組み合わせつつ二基の高架配水池を兼ねた副貯水池の四つの池で構成される。
地下ダムはおもに海水の侵入を防ぐ目的のため他の地下ダムでよく採用される地下連続壁工法ではなく、河川改修工事などでよく見かける鋼矢板を打ち込むシンプルな工法(鋼矢板工法)が採られており、見た目こそ似ているものの、久米島のカンジン貯水池のような地表湛水型地下ダムではなく、地下ダムと地表ダムはそれぞれ別の池となっている。

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掘り込み型地上ダム

地上ダムは河川を堰き止める谷池タイプではなく掘り込み型。二本の排水路(流入水路)が接続されており、これを通じて表層水を集める。
地上と地下のそれぞれの貯水池の水は中継水槽で合流しポンプアップによって二つの副貯水池へと送られる。
以下、沖縄文化・観光ポータルサイトより抜粋。

千原地下ダムは、地表水と地下水を新たな農業用水の水源として利用するため、千原低平地に建設されたダムで、堤高14m、堤長479mの地下貯水部を含む有効貯水量は79万㎥となっており、伊是名村にある農業用貯水池としては最大級の規模を誇っています。地下貯水部は、地下浸透した水を止水壁でせき止め地中に貯留し、貯水区域内に埋設された取水トレンチにより取水しています。掘り込み式の地表貯水部(千原貯水池)は、千原東排水路・千原西排水路の流下水を取水し、貯留しています。そして、地下貯水部及び地表貯水部の貯留水は、中継水槽で合流し、取水ポンプで2か所の副貯水池に揚水した後、畑地に配水されています。

https://www.okinawan-pearls.go.jp/?act=detail&si=616www.okinawan-pearls.go.jp

日本の代表的な地下ダム

地下ダムは奄美群島や沖縄本島、南西諸島、五島列島などで見られる。地下ダムでは宮古島の福里地下ダムが代表格で資料館もある。
喜界島の地下ダムは実際に地下ダムを管理坑から見学することができる。

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島へのアクセス(沖縄本島の運天港)

ターミナルおよび埠頭は、伊平屋島行きと伊是名島行きの二隻の共用であるが、まるで仲が悪いみたいにお互い確固たる距離をとっているような感じ。いっしょに運用してくれたら二つの島を継投できるので観光客にとっては楽であるが、島間フェリーがなく系統が完全に分かれているので、この二つの島にフェリーで行くためには、いちいち運天港に帰ってこなければならない。
下の写真では左が伊平屋島行き、右が伊是名島行きのカウンター。




 

伊是名島の島影(地形)





 

マップ

ニッポン湖沼図鑑マップ


Googleマップ

マークした場所はトイレ付き駐車場。


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