【くぐしこ】

三方五湖で唯一、生まれが違う異端児
土地の沈降によって構造的に生まれた「断層湖」という湖沼タイプの三方五湖兄弟であるが、ひとりこの久々子湖だけは砂州の発達によって海と隔てられた「潟湖」というタイプの湖。
美浜湾の海水が出入りする汽水湖でもある。
マリーナやボートコースがありボート競技大会の会場にもなっているほか、ガイド付きの遊覧船が発着する瀟洒な美浜町レイクセンターも湖畔にある。
大地震被災と復興の歴史
1662年5月1日に発生した近江・若狭地震によって、当時、久々子湖以外の三方五湖の唯一の流出河川であった気山川(きやまがわ)の河道が閉塞。出口を失った湖水は氾濫し、湖岸の集落と田畑を冠水させた。
緊急対策として、最短距離で四湖の水を久々子湖を通じて海に排水すべく、浦見坂の開削が行われた。これが人工水路の浦見川となる。

水月湖との通水部(浦見川)
開削部の切り通し
久々子湖と水月湖とは江戸時代に開削された人工水路によって通水しており、運河の役割も。

手掘り開削の痕跡
江戸時代初期に開削を主導した行方久兵衛(なめかた きゅうべえ)という藩士が、その偉業を後世に伝えんと岩盤に文字を彫ろうとしたが、「本物の偉業ならば、彫らずとも名はおのずと残る」と母親にたしなめられ、枠だけ残して刻印をやめたという。そんなことでかえって後世に逸話として残ることになった。母、偉大。



久々子湖側吐口
集落がありコンクリート護岸されている。




水路に面した舟小屋


遊覧船
排ガスを出さないエコシップなので屋根はソーラーパネルびっしり。水路の区間だけ展望デッキに出さしてくれる。


久々子湖の施設・設備
美浜町レイクセンター(遊覧船発着所)
久々子湖を一望するテラスでコーヒーも飲める。









船舶用の信号
海との通水部に架けられた橋は片側交互航行のため、信号機が設けられている。

ボートコースと監視船
紅白のポールはボート競技用のコースを示す標柱。
左は2025年、右は2015年撮影。


北岸側の観光駐車場と案内板
レイクセンターができる前の2015年の写真。



漁業と釣り
ぬくみ漁
冬場に柴などを使って罠を仕掛け、寒さをしのごうとする魚を集めて獲る久々子湖の伝統漁法。




鋤簾によるヤマトシジミ漁

ハゼ釣りの穴場
釣りは、シーバス、ハゼ、ウナギ、ボラなど。特にハゼ釣りは数釣りが楽しめる。
