【せんばこ / 偕楽園】
日本三名園「偕楽園」の借景の天然湖沼
梅、桜の名所として全国的に名高く、日本三名園(兼六園(金沢市)、後楽園(岡山市)、偕楽園(水戸市))の一つである偕楽園が隣接。その借景として、また水戸の町のシンボル的な憩いの場として市民に長く親しまれ、梅花の季節にはJR常磐線に臨時駅が設定される。
日本の重要湿地500にも選定されている天然湖沼であるが、貸しボート、釣りも。
千波湖の形態と景観
法的には桜川の一部
現在は桜川と堤一本で隔てられ水門で通水する形態になっている千波湖であるが(下写真)、もともと古桜川の一部が堰き止められた湖沼であり、河川法上でも桜川の一部ということになっている。
縄文時代の堰き止め湖
古桜川が土砂堆積で堰き止められて成立した天然湖。現在の形状・形態は江戸時代の水戸藩による護岸改修による。
江戸時代には二倍以上の広さ
徳川光圀が千波湖八景を指定した江戸時代には、二倍以上の広さがあったようだ。(下図)
日本の重要湿地500選
桜川との接続水路と池
桜川と水路で接続。千波湖と桜川の間に小さな池がある。水面は桜川より千波湖の方が高く、流入口ではなさそうだが、位置的に流出口というのも不思議な感じ。調査を続けたい。
桜川との接続水門
桜川の方が千波湖より水面が低い。
洪水吐
北東側に二ヶ所、オリフィス型の洪水吐があった。
取水口?
フロート型の取水口? 網場(あば)で取り囲まれているので、あるいは取水口かなと。公園管理用水とか?
流入口?
南岸側に水が湧き出しているポイントが。後背の地形は小さな丘陵になっている。
護岸
南岸
垂直護岸ではあるが、遊歩道と水面は近く柵がなく開放的な護岸。
湖尻(東岸)
浮き島
早朝の千波湖
2014年撮影。
生息する魚類と動植物と釣り
ホトケドジョウ生息地として「重要湿地500」
釣り
名園の構成要素でありながら千波湖では釣りができる。雰囲気としては、へらぶな釣りが似合うがブラックバス釣りもおかっぱりしやすい。
へらぶなは40センチ以上の美しい魚が主体となり、これを狙う熱心な地元ファンもいる。野鳥保護のため釣り禁止区域の設定があるので事前に確認のこと。
野鳥
ダイダラボッチ伝説(ダイダラ坊の伝説)
以下、現地案内板より。
千波湖をつくったのはダイグラ坊という巨人だ、といい伝えられている。ダイダラ坊は現在の内原町大足に住んでいた。村が朝房山のために日陰になり、村人の困っているのを見たタイダラ坊は、山を村の北方に移してしまった。ところが、その跡に水がたまって洪水になったため、指で小川をつくって水を流し、その下流に掘った沼が千波湖だという。
千波湖の施設・設備
水戸光圀像
水利にも明るかった水戸藩の名君。時代劇ドラマ「水戸黄門」シリーズのモデル。
湖岸のデゴイチ
外装はじつに美しくレストアされている。
大噴水
遊歩道
湖面が近く親しみやすいフラットな遊歩道で千波湖を一周できる。
ボートのりば
市民ビオトープ
千波湖の岸はほぼすべて人工護岸や蛇籠護岸だが、この一角や数ヶ所にアシなど抽水植物群落の茂る自然護岸が見られた。
駐車場、トイレ、売店、遊歩道
貸しボート(遊覧)
千波公園せせらぎ広場の池
マップ
ニッポン湖沼図鑑マップ
現地案内マップ
サクラマップ
ジョギングマップ
水戸市内観光案内図