水辺遍路

訪れた全国1万1,450の池やダムを独自の視点で紹介

お松の池(新潟県南魚沼)


六日町の市街地に寄り添う昭和ノスタルな高原リゾート

南魚沼市六日町の市街を見おろす上の原高原にある農業用の溜め池。
1503年の古文書にすでに池に関する記述があり、かなり古くから農業用水を供給してきた。また、池名からも察せられるように、池に身を投げたお松さんにまつわる池伝説が残っている。

 

女が身投げする池伝説

お松さんの池伝説と、遠く離れた神奈川の「お松ヶ池」

姑にあまりに厳しい職業訓練(機織り)を受けた嫁が池に身を投げるという基本プロットは、遠く離れた神奈川県の小松ヶ池(お松ヶ池)もまったく同じで興味深い。ただし神奈川の小松ヶ池は機織りではなく田植え。

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機織りの池伝説といえば

お松の池と同じ南魚沼には、織姫ノ池という優美な名を持った山池があり、ここも標高2千メートル近い山の頂きで機織りする美女の目撃談が伝説となっている。
ほか、栃木県の鬼怒沼にも山頂の山池で機織りする美女の伝説が「まんが日本昔ばなし」でもアニメ化されている。

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池の形態と構造

段丘上に立地

市街地よりも一段高い段丘上に池がある。
堤がどこにあるか一目では分からない不思議な形状。池のまわりは杉木立がまっすぐ並び、島が浮かぶ水面の一角を蓮が覆う。


 

弁天島と戸隠島

二つある島は、北が弁天島、南は戸隠島と名付けられ、杉が林立する中に赤い鳥居がのぞいている。弁天島の方は遊歩橋もあり渡ることができる。
高原丘陵状の池畔には、山荘、キャンプ場、レストランもあり、枯淡な味わいというべきか微妙なリゾート感が漂う。この感じ、好きである。新潟で心に残る池のひとつとなった。

弁天島と遊歩橋


取水設備と堤

北側の菖蒲園のあたりと南端側の二ヶ所に取水設備らしき人工物がある。

上が北側の取水設備。下が南側の取水設備

戸隠島


菖蒲園


 

釣り台と藻刈り

周囲1kmの池のまわりには遊歩道があり、水面が近く陸釣りもしやすい。へらぶな釣り台が設置されている場所もあり、藻刈りをしたエアーポケットの中での釣りとなる。




 

駐車場と駐車スペース

駐車場にはトイレ、自販機あり。またこの駐車場に面した湖畔荘をはじめ近隣には数件の観光関連施設がある。

南側の駐車スペース



 

六日町の地酒

良い池は良い米を育て良い酒へ。米どころだけあって、酒蔵も多い。


 

Googleマップ

マークしたあたりに釣り台。