水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

王子製紙第一発電所調整池(北海道千歳)

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調整池の越流堤(オーバーフロー)

支笏湖から流れ出したばかりの千歳川の水を取水堰堤から導水トンネルで引っぱってきた水が、千歳川右岸側の段丘上にあるこの調整池に流れ込む。
見学者用の橋で池の取水口側へまわると、その先は身もすくむような急傾斜の下に小さく千歳川が流れていた。導水トンネルは、千歳川との高低差を得るために支笏湖からはるばる引かれてきた。
発電所の敷地内は見学することができるが、池は有刺鉄線付きのフェンスで囲まれ、釣り禁止看板も設置されている。
案内板および見学者用駐輪場、駐車場あり。

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明治時代にこれだけの水力発電設備を製紙業を営む一企業が造ったことは驚きだ。


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取水設備の建屋


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発電所敷地入口(左)と池のフェンス


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調整池から130mの落差を駆け下る鋼管の先には第一発電所。建物も古風でゆかしい。
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それにしても、何という雄大で豪快な地形だろう


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王子製紙の水力発電ネットワーク図。この看板は第一ダムではなく、見学可能な調整池側に立っている。

bunbun.hatenablog.com

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水力発電設備における調整池といえば、揚水式発電の上部・下部調整池のほか、通常の水力発電においても「逆調整池」が配されることがあります。逆調整池は発電に使った水を流しっぱなしにするのではなく、揚水式発電の下部調整池のように貯めておく役割があります。
ここ王子製紙苫小牧工場の調整池は、逆調整池にもあたらず、上部調整池に近いポジションですが、取水している千歳第一ダムから見れば下流側にあり、ちょっと変わった調整池かと思います。
案内板には、この調整池の英訳として「Regulating Pond」とありました。
【regulate】調整する。調節する。
うーん、そのままですね。


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マークした場所は見学者用駐車場。