水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

おしどり沢堆積場(北海道札幌)

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インジウム生産世界一を誇りながら2006年に閉山した豊羽鉱山(とよはこうざん)。その廃液処理システムのひとつが、おしどり沢堆積場である。地図上では池の表記になっていて、航空写真を見ると鉱滓ダムであろうことは予想していたが、閉山して埋め立てられているとは思わなかった。
道道から分岐するつづら折りのアプローチ路がついているが、一般の立ち入りは禁止。空撮でかろうじて鉱滓ダムの残滓を捉えることができた。
インジウムはフラットパネルディスプレイなどに使われるレアメタル。
株式会社村松組のホームページの工事事例に、「おしどり沢捨石たい積場」が掲載されていた。写真からここで紹介している沈澱池と同一のものであると判断できた。
同ページには「軟弱地盤の安定化を図る、ジオテキスタイルを用いた対策工法の施工であります。当写真は、軟弱地盤シート敷設が完了し、1層目の盛土状況です。」との文言があり、閉山後に鉱滓ダムが崩壊しないように沈澱池を強固な土壌で埋め立てたことがうかがえる。

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おしどり沢堆積場についての村松組のホームページには、こんな気になる文言もありました。
「JX日鉱金属グループである豊羽鉱山㈱が、鉱山採取時期から堤体させている盛土部を、長期計画で安定化させるための軟弱地盤対策工事であります。」


ダムのプロの間ではふつうに使われている言葉なのか分かりませんが、「堤体させる」という使役動詞は初めてで、ググっときました。動詞としては「堰(せ)く」という言葉しか知らなかったので。


「あなたのことを堤体してもいいですか♪」・・どことなく演歌風で艶っぽい感じがしなくもない?

 
マークした場所は白井川の入釣ポイント。