【しずないだむ。静内調整池】
北海道電力が管理する発電専用の重力式コンクリートダム。ゲートの滑車はラピュタの鉱山を思い出す。パズー、ブレーキ!
1950年代、日高山脈を流れる4つの河川を導水トンネルと11のダムでつなぎ、北海道全土をカバーする壮大な水力電源開発をめざした「日高電源一貫開発計画」において、上流側の高見ダムとコンビを組み揚水発電で主力を張るのがこの静内ダム。
当時、日高山脈は前人未踏の広大な山稜が広がっていた。ダム建設前の調査隊の苦労ははかりしれない。「日本百名山」の著者・深田久弥も日高を登ったときにはダム工事の人たちに助けられている。
静内川水系では静内ダム、高見ダムのさらに奥に東の沢調整池がある。
じつは東の沢調整池は北電ダムでは最大の重力式コンクリートダムで堤高は70mも。ダム形式を問わなければ北電管理で最大のダムは上述の新冠ダム(ロックフィルダム)。
静内川に沿って延々と日高山脈に切り込む未舗装林道が高見ダム、東の沢ダムへのアプローチ路となるが、静内ダムのダムサイトから先はゲートで閉鎖されており、2019年の初訪時および2021年の再訪時も関係者以外は通行できない状態だった。
ダムサイトまでは二車線舗装路で通行可。