山上にたたずむ水の出入りのない霊池
大日ヶ岳の南東にのびた稜線ライン上にある標高700mの山上湖。最大水深は20mと深く、その底には大蛇が棲むという伝説があり、昭和二十年代には名古屋から神託に導かれて訪れた師弟の僧によって龍神の姿が目撃された。
成因は火口湖ということで、流入する沢も流出河川もないのに、年間を通じて水位がほぼ一定で、旱魃のときでも水が涸れることもない不思議な池である。
ただ、私が訪れた８月には水位がかなり高く、遊歩道や木道の一部が水没するほどだった。
鯉、モリアオガエルが生息。初夏にはコウホネ、ヒツジグサが花で水面を彩る。
浮き島もあった。
釣り竿を３本持って行ったが、霊池の空気に気圧されて釣りは控えた。
成因タイプは火口湖
火口湖と聞けば、なるほど不思議な立地と、池の規模に対して異常に深い水深も説明がつく。ただ、周囲に似た池はなく、完全に孤高ともいえる存在の池だったので、当初は断層湖ではないかと見立てていた。
霊験あらたかな八大龍王が池畔に
鳥居と八大龍王像が池畔にある。
池伝説では、池には鉄を落とすと大変なことになるそうだ。
昭和二十年代、実際にこの池で龍王の姿を大日院の師とともに見た住職の奇跡の池伝説が石碑に刻まれていた。
別の案内には、大日院住職の池戸さんという名が署名されていたが、この方が龍王を見たという人だろうか。
鉄を投げ込むとヤバい
江戸時代に池に鉄鎌を投げ込んだところ、池ヌシが怒り狂い大変なことになったと案内板に記されていた。
池底に棲む龍神は鉄が嫌い。
池を後にするとき、大蛇ではないものの妻がヘビを見たという。うらやましい。
アプローチ路と棚田展望地
アプローチ路は1.5車線舗装路で棚田展望地のある山斜面を尾根まで上っていく。尾根上の田の手前に「村間ヶ池」の道標のある分岐があり右折。まもなく駐車スペースがある。
そこから徒歩で道標に従って林間を下る。途中、小さな池もある。
もうひとつの池
村間ヶ池へのアプローチ路の途中の林の中にも池があった。
流入、流出河川のない村間ヶ池の水脈をたどるヒントになるかも。
棚田展望台
村間ヶ池への分岐ポイント手前に棚田展望スポットがある。
谷をはさんで対岸側の棚田を眺めるかっこうになる。
池さんぽマップ
