なわがいけ。
全国各地に池伝説を残した平安時代のヒーロー藤原秀郷(俵藤太)が登場する龍神伝説をもつ池だけに、何としても会ってみたい池だった。地元では小学生でも知っている縄ヶ池の存在を知ったのは、つい最近のこと。お恥ずかしい限り。
竜神伝説といえば普通は退治系のストーリーが多いが、ここはひと味違って、感謝系。
琵琶湖近くでムカデ退治を成し遂げたお礼に大蛇からもらった子蛇を、藤原秀郷みずからの手でこの池に放流。以来、その名も池川の水源として水枯れることなく麓の里に恵みをもたらしてきたということで、池の奥にはこの蛇姫を祀った祠もある。
その素性は標高880mにある天然の土砂堰き止め湖。湖周長2km、水深10mもあって山池として堂々たるものだ。
インレット側には池と同じぐらいの面積の湿原が広がり、ミズバショウ群落は名物。昭和天皇歌碑が池畔に立つ。
山池なのでアプローチはちょっと苦労する。
西側と北側の二つのアプローチ路があるが、いずれも全舗装1.5車線で酷道というほどではないが、いかんせん長い。
両林道の合流地点から600mほどで高清水林道展望広場という、わりと広い舗装駐車場に出る。ここからの下界の眺めは素晴らしい。
クルマを駐車して池への入口へと歩く。遊歩道は二手に分かれるがいずれを通っても10分も歩けば池に至る。案内板や道標もあり、木道も設置されているので迷うことはなく、軽装でも問題ないが、人のいない時間帯などは熊に注意。
「縄ヶ池みずばしょう群生地」として富山県指定天然記念物。
マークした場所に駐車場。