稲作の神がおわす山頂
「水田」を意味する「苗場」が山名になっている。
バブル期のスキーブームを角川映画ですり込まれた私にとって「NAEBA」は、あまりに華やかな印象が強すぎて、その山が「苗場」な山頂を持ち、つまりは山池の楽園であろうという、ごくあたりまえの発想に至るのに平成、令和と二つの時代を要した。はなはだ面目ない。
カルデラが浸食された標高2.145mテーブルマウンテンで、フラットな天空湿原は周囲10kmに及び、池塘は千を越える。(NHK番組「グレートトラバース」では400以上とナレーションされていた)
まさに山池楽園。苗場というだけあって、稲作の神様(苗場神社奥の院)も祀られている。
登山ルートは複数あり、日本最長のゴンドラリフトも登山に組み込むこともできる。季節によってはマイカーでは行けない人造湖・カッサ湖を眼下におさめるコース設定も可能。
9月下旬から10月上旬がベストシーズン。
日本の重要湿地500。
日本でもっとも標高が高い湿原のひとつ
標高2,100mに広がり、千もの池塘を象嵌した湿原は全国でも他に見たことはない。
池に生えたミヤマホタルイ群落が風に揺られるさまが、田植期の水田を思わせ命名の由来となったという説が『北越雪譜』に。
池の形態
火山由来の高層湿原。
水路とつながったものや、人工的に小さな堰が設けられたものもあった。魚類は確認できず。
苗場山頂の池群へのアプローチ
小赤沢コース
長野県側からアプローチするコース。マイカーでのアクセス行程が長い。三合目に広い駐車場、トイレ、水場あり。
山頂まで往復5〜6時間ほど。
鎖場などもあるがコースは全体的によく整備されており、変化もあって楽しく歩きやすいが、下りは滑りやすい。
九合目の坪場という湿原には、さしずめ「天狗の露天風呂」といった風情のうるわしい小池があり、池好きにはたまらないコース。
詳細は坪場の項(近日公開)を参照。
祓川コース
祓川登山口の駐車場は有料ながら台数にキャパがあり、トイレあり。マイカーで行く人向き。登山口から往復8〜9時間ほどか。山頂ヒュッテにトイレあり。
祓川駐車場
有料。標高1,220m。駐車場は有料(500円)。
リフトでショートカット
季節限定土日のみ運行のリフトで300mほど稼ぐことができる。ただし上りのみ。下りは自力下山。しかも料金が高い。
田代コース
日本最長のゴンドラリフトを利用。季節限定。途中、マイカーでは近づけないカッサ湖にアクセスできるのも魅力。
コース案内マップ(現地案内板)
池ごはん(NEW!)
テーブルマウンテンである苗場山の山頂池塘群を再現した、苗場山池カレー。ルーが少なすぎ?
後ろは苗場山の水を使った霊水ラーメン。