水辺遍路

実踏・日本の湖沼 8,800湖

策の池 (東京都新宿)

むちのいけ。
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難読でもあり、変わった名の池である。むちの池。ピシっと打擲するあのムチであるが対人用ではない。その昔、徳川家康が鷹狩りの際に乗馬用の笞(むち)をこのあたりの井戸で洗ったという言い伝えが池名として回収されていったらしい。
一帯は新宿の雑居ビル群に囲まれたお椀のようなスリ鉢地形で、都心のエアーポケットのような不思議な空間になっている。そんな地形を愛する東京スリバチ学会も認定する「スリ鉢の聖地」というだけあって、なるほどスリ鉢の底に下る階段はどれも長く急だ。
奇妙な気分でスリバチの底を歩いていると、建物に取り囲まれた策の池が現れた。岩でできた中の島に津の守弁財天が祀られている。水面を揺らして鯉が群れをなして泳いでいた。
江戸時代の大名屋敷だったころは立派な滝も流れ込んでいたずっと大きな池で、現在の池は昔の滝壺の部分だけが残ったものだという。
スリ鉢の底を北東に歩いて行くと仲坂という階段がある。この斜面はかつて池の堤の前法面だった部分。つまりここまではかつての池の底を歩いてきたということになる。
階段を上がった道はかつての堤の天端。長さ33m。高さは10mほどの人工の堤だったようだ。庭園池であればこれほどの高さの堤はいらないはずで、溜め池の機能も担わせていたのだろうか。
堤だった思われるところを歩きまわってみるが、ビルや建物が多すぎて堰堤の痕跡が見あたらない。土地も整地されてしまったのだろう。
池から300m北西へと路地を歩いて行くと、釣り文化資料館や暗坂(くらやみざか)がある。

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「新宿荒木町スリバチ絶景スポット」と名付けられたポイントからの眺め


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池の敷地全景


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釣り文化資料館と暗坂