複雑な噴火スタイルが生みだした山池は大人の蠱惑
百名山・岩手山の西岩手カルデラ内にある湖面標高1,450mほどの爆裂火口湖(マール)。
岩手山は複雑で多様なタイプの噴火が30万年に渡ってくり返されてきたため、複雑怪奇な山容と地形が魅力。その山上火口湖である御苗代湖、御釜湖は期待にたがわず凄まじいオーラを今なお放っている。
御釜湖の形態と景観
成因タイプは成層火山の爆裂火口湖
岩手山は溶岩タイプの異なる噴火が組み合わさった複雑な地形を持つ火山だけに、池を取り巻く地形もじつに魅惑的。
西岩手カルデラという大きなお盆の中に猪苗代第一火口という大皿があって、さらにその中に第二火口である御苗代湖と、御釜火口という別タイプの溶岩でできた火口湖が隣あっている。
このため御釜湖と御苗代湖では植生や表情はまったく異なる。ぜんぜん似ていない兄弟みたいな感じ。
御釜湖と周辺地形(空撮)
この形状にあってこのポジションと宝石のような色味。会陰の秘石とでも呼びたくなる大人の蠱惑。






池の外壁(堤状の土手)
御苗代湖側との境になる堤状の湖岸外壁は切り立っているが流出口は見あたらず。
湖面まで比高があり、降り口があればもっとよく観察できそうなのだが。
御釜湖へのアクセス
山頂直下の池のため複数ルートあり
岩手山の最高峰・薬師岳直下の山肩にある池なので、どのルートも極端には所用時間は変わらないが、いずれもロングコースとなる。
御神坂登山口
岩手山の南側からの登山道。駐車場、トイレ、休憩施設あり。
平成18年の土石流災害の現場でもあり案内板がある。




焼走り登山口
駐車場は広く岩手山の眺望もいいので一番人気。トイレあり。


七滝コース
駐車場、案内板
眺望のよい公園奥の登山口だがトイレは夜間閉鎖となる。
岩手山頂まで片道9.7kmのロングコースで熊が頻繁に出没とのこと。確かに早朝、大型動物が茂みを走る音がして、近くを歩いていた登山者と思わず顔を見合わせた。





七滝コース登山口
しばらくは歩きやすい平坦路が続き、途中、滝見台への分岐がある。



途中で会う滝


標高1,200m近く
雑木林の中を長く歩いてきたが、このあたりから景観が大きく変化する。足もともズブズブの泥で小さな湿地が見られるように。
やがて白い温泉水の沢を渡渉する。






大地獄谷
西岩手カルデラ底の開析部近くが大きく崩れ、砂漠のような荒涼とした景観に。このコースでは一つのハイライトでもある。


大地獄分岐
ここからカルデラから流れ出す沢に沿って登る。ほどなくカルデラ底に這い上がる。
カルデラ底の池塘


カルデラ底の「お花畑」



御釜湖分岐
カルデラ底のお花畑を抜けると森林に入り、まもなく御釜湖分岐。
御釜湖到着
御釜湖の標柱があり到着。でもここからだと御釜湖は木々の間から垣間見る程度。
登山路で見かけた動植物


































