おなわしろこ。
瑠璃色のトンボが舞い飛ぶ天上の楽園
百名山・岩手山の西岩手カルデラ内にある湖面標高1,450mほどの火口湖(火口原湖)。
岩手山は複雑で多様なタイプの噴火が30万年に渡ってくり返されてきたため、複雑怪奇な山容と地形が魅力。その山上火口湖である御苗代湖、御釜湖は期待にたがわず凄まじいオーラを今なお放っている。
そもそも近接するこの二つの火口湖は、成因は同じでも形状や景観がまったく異なり、似ていない兄弟といった風情。
岩手山登頂ルートからは少しはずれるが、御釜湖のみならず少し下った先の御苗代湖もぜひ、そっと立ち寄ってほしい。宝石のようなトンボが舞う楽園は、至福のひとときを提供してくれるだろう。
御苗代湖の形態と景観
成因タイプは爆裂火口湖
西岩手カルデラ内にあるのでカルデラ湖と混同した記述なども見られるが、正しくは火口湖である。カルデラの中にある火口湖については赤城山のページに池マンガで解説した。
景観
息を呑む眩い湖面。余計な工作物もいっさいなく万古からの姿がそのまま差し出されているような野生味に心が揺さぶられる。


御苗代湖の岸と構造
上位にあたる御釜湖側(東岸)は湿原状
苔類と赤っぽい礫が岸を形成。水位は安定しているようだ。
下写真では流れ込みのような澪筋も確認できる。



火口壁側は岩岸と森林
北岸の火口壁側は岩石が折り重なった岸で樹木が湖面に這い出している。
西岸は吐き出し? 流れ込み?
対岸にあたる西岸には遊歩道もなく近づけなかったが、空から見る限り吐き出しがあるように見えるが、あるいは第一火口の火口原から第二火口壁をぐるりとまわりこんできた流れ込みの可能性も。
御苗代湖周辺で見かけた動植物
モウセンゴケを近づいてよく見ると・・
うわー。捕縛されたトンボがびっしり・・。
ルリイトトンボ
群舞しながら産卵行動をとっていた。それは夢のような光景だった。
ヤゴ、オタマジャクシなど


