水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

無量溜池(福島県会津美里)

むりょうためいけ。

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田植え後はすぐ減水させる運用らしく、みごとな緑のスリバチ感!

田畑を見下ろし集落からすぐ歩いて行けるので、管理者にとっては便利な立地だろう。獣除け電気柵をまたいで堰体をけさがけにした軽トラスペックのスロープを上がっていくと、底樋門が露出するほどに水位を抑えたスリ鉢の池が現れた。
ダムスペックを満たす農業用ため池であるが、ダムといっても水を抜くための栓はコレ! お風呂の栓を二まわりほど大きくした感じ。

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といっても、これ一つとうわけではなく、階段状に何個も付けられていて、ちょっとずつ水を抜いていくと、写真のように一番下にある親分のような池の水ぜんぶ抜ける水門が姿を現す。

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洪水吐は軽トラが通れるようアルミのハシゴが渡されていてワイルド。この橋を渡った右岸側は水面への斜面に沿って階段状の斜樋取水口。水位に応じて階段にある風呂栓のような池の栓をはずしていく原始的な方式。底樋のある水位ラインまで栓が開けられていた。

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取水設備である斜樋。階段状の風呂栓タイプの取水口をもつ。その下で水没している水門が底樋門。完全水抜きを行なう際はこの水門を開く
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電気柵


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洪水吐

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堰体と注意看板。小学校PTA設置なので地元の子ども向けと思われます。
よくある「入るな!」「遊ぶな!」「近寄るな!」ではなく、「気をつけて!」というところに地域の志の高さを感じました。

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