水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

富士池(茨城県笠間)

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土砂が溜まってしまったのか、全体的に浅い。枡形の洪水吐には、見たことのない細工が施されている

笠間野池群のひとつ。
へらぶな釣りができる池として釣り雑誌のムックに出ていたことから、長らく訪れてみたい池リストにあったが、やっと会うことができた。しかし時すでに遅く、というか、笠間市が設置した「つりはやめようね」の看板もあり、水も抜かれ・・へらぶなの姿はそこにはなかった。
一方、水抜きのおかげで興味深いものも見えた。全体的に底が土砂で埋まっている印象を受けた。
土砂で底上げされたことに対する対処なのか、ダム穴タイプの枡形の洪水吐にはコンクリート壁にまるい穴が開けられ、水位が一定以上にならなくても水が流入するように細工されている。
また呑口に鉄パイプが突っ込まれている。洪水吐と取水設備を兼用させるための対処なのか、見たことのない運用スタイルだけに想像が掻き立てられる。
けっして大きくはない池だが、この池には堰体に所狭しとゲート開閉タイプの水門と、ラウンドしたコンクリート洪水吐も設けられている。


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コンクリート壁に丸い穴が穿たれている


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看板


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スライドゲート水門と、その奥にカーブした洪水吐が見える

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手前の堰体前法面はタイルブロックによる補強、奥の右岸側は石積みの補強、そして右上に見える対岸側は板止めによる護岸。
ひとつの池で3つの護岸スタイルを見ることができたのも池萌えポイントでしょうか。


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