池岸の石組みは安土桃山時代
かつての天皇の住まいだった京都御所の衛星のように摂家や上皇の宮殿が集まる京都御苑。
御所の北側にあるのが平安時代の藤原家をルーツにもつ名門・近衛家。
南側の九條家の池も九條池と名付けられていたが、ここ近衛邸の池も近衛池。当世風にいえばアベノ池。
ただ、高貴な一門の名ゆえに、そうそうある池名ではない。把握している限り、全国で近衛池というお池は他に見あたらない。
池は水がない状態が長くつづいているらしいが、完全なロストレイク(消失湖)というわけでもなさそうな設備がところどころ見られた。
池の横にはポンプ設備や通水路もあり、水を張った状態に復活できなくもなさそうだが、どういう事情で水を抜いているだろう。
枝垂れ桜(糸桜)の名所でもあるだけに、たおやかな池の水面とともに見てみたい。