那須連山の盟主が秘蔵する山池
那須連山主峰の茶臼岳(別名 那須岳・1,915m)の肩に穿たれた山池。
この名山では唯一の名が通った池であり、紅葉の「逆さ茶臼」が撮影できるのはこの池だけとあって、千載一遇の絶景を狙うカメラマンも少なくない。
那須観光のポスターなどにも採用されるほどの池でありながら、現地に行くと「ひょうたん池」の案内の少なさに戸惑うが、その秘蔵感もまたこの池の隠れた魅力でもある。
なぜか池への案内が少ない
山頂駅からのルート上に案内マップや案内標識は多数設置されている。しかし、なぜか「ひょうたん池」の文字がない。
すれ違った人に道を確認しながら行ったが、一人目の人の間違った答えで危うく違うところに行くところだった。二人目に訊ねたベテランのおばさんが地理にくわしく助かった。
池に行くには姥ヶ平をめざすという認識でいいだろう。
なんたる秘蔵感
池と対面してみて、案内が少ないのも納得。
池が見えるポイントが木道終点の小さなお立ち台に限られており、しかも収容キャパシティが小さい。二、三人が三脚を構えて雲待ち、波待ちでもされたら、もう誰も入れない。
お立ち台から池を見るようにとの案内があるが、木々に阻まれてよく見えない。お立ち台を下りて水ぎわに立つと、ようやく池と対面できた。
とはいっても見えるのは横長の池のほんの一角。
写真で見るより小さく、え、これだけ? と思う人もいるかもしれない。
水は清澄といえなくもないが、火山性の土質のせいかブラッキーなので一般ウケにはマイナス要素かも。
そんな状況なので、積極的に観光客を誘導するわけにもいかなさそうだ。
地形の神秘
Googleアースで3Dで地形を見てみると不思議な立地である。
山の肩にあたる姥ヶ平の一角にある池だが、二つの沢(崩れ)にはさまれた馬の背に立地している。
沢が堰き止められてできたわけでもなく、また、斜面に対して横長という不思議な特徴を持っている。
ふつう池は沢なりくぼ地なりにできるわけで、馬の背に穿たれているのは何とも不思議だ。
成因は? 水源は? と、池を見ているだけで妄想もふくらむ。
那須ロープウェイ山頂駅をスタート
ロープウェーの駅を降りた先、多くの登山客は山頂へのルートをとるが、ひょうたん池へは山頂を捲く牛ヶ首方面のルートへ。
牛ケ首を経由して急坂を下る
牛ケ首は分岐点になる。
眼下に広がる低地が姥ヶ平。よく見ると、ひょうたん池も見える。
姥ヶ平が、池への入口
姥ヶ平は明治時代(1881年)の茶臼岳噴火ですべての木が枯れたという。現在はハイマツの灌木林が広がり、登山客の休憩スポットとしてベンチなどが置かれている。
ひょうたん池はこの灌木林の一角にあり、休憩広場の少し下から木道のアプローチ路が分岐。300mほどで、ひょうたん池に着く。
池へのアプローチ路は木道
灌木に囲まれてパッと見はふつうの木道だが、よく見るとけっこうな高さ。足を踏み外せばケガしそう。すべりやすいときは注意。
姥ヶ平から、ひょうたん池へのアプローチマップ
姥ヶ平の案内板
ロープウェーを使わない無料登山ルート
ひょうたん池まではロープウェーを使うルートがいちばん速いが、往復1,800円かかる。
ロープウェーを使わない場合は、峠の茶屋駐車場からけっこうな距離がある。中学生のとき、遠足で行ったのはこのルートか。初めての登山だったが、ものすごく長かった記憶がある。
一方、往復で3時間ほどかかることと、マイカーが必要であるが、沼原調整池の無料駐車場から徒歩でも、ひょうたん池にアプローチできる。
ひょうたん池アクセスまとめ
ロープウェイ山頂駅からは往復で1時間半〜2時間ほどで特に困難なルートはないが、高所だけに登山靴やストック、軽食、水など最低限の登山装備はあった方がよい。
ロープウェイ往復1800円、駐車場無料。
8:30始発で20分おきの発車。
10月初旬に紅葉が見ごろ。
沼原湿原駐車場からなら無料で行けるが往復3時間ほどかかる。
駐車場
ロープウェー山麓駅前と、もう少し進んだ道路の終点に峠の茶屋駐車場がある。
Google マップ
マークした場所は、池のピンポイント位置