水辺遍路

訪れた全国1万1,300の池やダムを独自の視点で紹介

小女郎ヶ池(滋賀県大津)

こじょろうがいけ。

滋賀県で湖面標高ナンバーワンの山池

小女郎ヶ池は、比良山系・蓬莱山(1,174m)の頂上近くの山肩に立地する湖面標高1,060mの山池。滋賀県の池では標高ランキング1位を公称?*1
さすが高所の池だけあって登山をすれば往復5時間の行程だが、びわ湖バレイロープウェイとリフトを使えば、蓬萊山の山頂からハイキングコースで下って900m、往復1時間ほどとかなり手軽。
池の周囲は泥炭層の高層湿原。水深1.28m以上ではアカホヤ火山灰層、その下に礫層。冬期は全面結氷する

 

雨乞い信仰と池伝説

雨乞い信仰のある池だが、乳飲み児を持った若い母親・お孝さんにまつわる池伝説がある。池ヌシの大蛇に魅せられ不倫の道に走ったお孝さん。不倫が発覚すると、乳飲み児がさびしがったらこれをしゃぶらせてと自分の左の目玉をくり抜いて夫に渡し、池へと去ったという。身勝手とするべきか、悲恋とするべきか、なんとも救いもない話であるが、大蛇がらみの池伝説としては蛇嫁譚、蛇婿入譚に属する。
「お孝さんという若い女性の池」という意味で「孝女郎ヶ池」が転じ「小女郎ヶ池」になったとする説が現地案内板に記されている。

 

でも、ほんとうの標高一位はこっち?

天然の山池としては小女郎ヶ池が滋賀県下一位の標高となろうが、じつは蓬莱山頂のすぐ下に、湖面標高1,110mの人工貯水池があったりする。
下の写真では、左側に貯水池、右側に小女郎ヶ池が見える。