水辺遍路

訪れた全国1万1,100の池やダムを独自の視点で紹介

金北山 あやめ池(新潟県佐渡島)


湖面標高1,050m。佐渡島でもっとも高い所にある山池

佐渡島の最高峰・金北山(1,172m)の山頂近くの山肩にある二つの天然の池のうちのひとつ。山頂の金北山神社から直線距離で400mほどの登山路沿いにある。距離はさほどでないが山頂側からだと急傾斜を標高差で100mほど下らなければならないので、印象としては近いわりにはなかなか着かなくてヤキモキ。
到着直前まで池の姿は見えないが、カエルの大合唱が山頂を過ぎたあたりから聞こえていたので、濃厚な池の気配をたぐり寄せていくようなワクワク感があった。

池の形態・水質

6月の梅雨前に訪問。湿地の山側に常時湛水面があり、オーバーハングした木の枝にはモリアオガエルの卵が見られた。
池底は落ち葉が積もっており全体的に底が見えるほど浅い。湧水口や明瞭な流入口、流出口は見あたらないが、水は比較的透明度があり淀んではいなかった。
水源は雪渓による部分も多そうだが、池自体は最後まで残雪が残るという状態ではなく、表層水以外の水源についても可能性を考えてみたい。
池畔の登山路沿いに「あやめ池」と記された小さな石柱がある。




 

池の地形(空撮)

金北山の山頂近くの稜線上の鞍部に二つの池がある。
この二つの池は300mほどしか離れていないが、稜線の一番低い鞍部をはさんで対峙するような位置関係にある。
標高に関してはほぼ同じ。下の空撮写真で、右下に見えるのは鏡池。左上方に金北山頂があり、両地点を結んだ直線のちょうど中間やや下に見えるのが、あやめ池。


 

池の成因

大佐渡の脊梁山地の稜線上鞍部に、あやめ池と鏡池の二つの池がある。
この山塊には類似した形態の山池が複数見られるが、火口湖など火山活動由来のものではなく、断層湖など構造的な由来に近そうに思えた。
なぜ大佐渡にこのような池が多く、小佐渡にないのか。大佐渡の方が標高が高く地形が複雑とか、北側に位置するため長年にわたって降雪を受け止めてきたとか、今のところ思いつくのはそのぐらい。


 

池へのアクセス

登山口(白雲台登山口)

2022年は白雲台登山口から防衛省管理道路、金北山山頂を経由した。
白雲台には売店、駐車場があるが、トイレは簡易トイレ。



防衛省管理道路

佐渡最高峰の金北山であるが、日本海防衛の要という立地であることから、山頂までダンプも通れるような管理道がついている。マイカーは入れないが登山者はゲートを開けて通行することができる。スパイとか大丈夫なのかな。



金北山山頂

防衛省レーダー施設と神社が並んでいる。
神社の眺望所に立つと、新潟県最大湖沼の加茂湖と小佐渡が眼下に一望できる。なお、あやめ池は見えない。




山頂から、あやめ池への下り

距離のわりには標高で100mも下り、けっこう長い。途中、一ヶ所、あやめ池が見下ろせるスポットがある。


あやめ池ビュースポット




 

動植物・地質

緑の岩石

登山道沿いの花


 

マップ・案内板

池さんぽマップ

「佐渡島の山池と里池さんぽ」ver2.02(抜粋)2022



 

Googleマップ