水辺遍路

実際に行った池やダム 9,400ヶ所を掲載

自鑑水(神奈川県湯河原)

【じかんすい。自害水、自鏡水】
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人生の逆境には、この池で勇気を

「自鑑水」、あるいは「自害水」ともいう。
木々に隠れるように音もなくたたずむ小さな山池であるが、なんとも変わった名である。
のちに鎌倉幕府を開き歴史に名を残す男が、このときは平家との戦に敗れ、ぼろぼろになって山の中を敗走する人生最大の逆境にあった。
山の中の池にたどり着いて、喉を潤したとき、やつれ果てた自分の姿に絶望して自害を決意するも、付き添っていた部下に諫められ再起を決意したとも、池の水鏡に幕府をおこす将来の自分の姿が映り勇気を取り戻したとも伝えられている。
いずれにしても海に面した急峻な山中にあるこの小さな池が、大きな逆境に面して諦めて果てるか、奮い立って偉業を成し遂げるかの分岐点になった。単に頼朝にとどまらず、日本史の大きなターニングポイントの舞台がこの池だった。
人生あきらめかけたら、この池のことを思い出そう。


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案内板


 

池に行くには、まず南郷山を登る

鎌倉幕府の開祖である源頼朝がまだ若かりしころ、石橋山の戦いで平家に敗れ逃げ込んだ山がこの南郷山。

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南郷山方面へと進む。源頼朝の敗走ルートではあるが、のちの大偉業への一歩だったともいえるので、遊歩道は「鎌倉幕府開運街道」と名付けられている


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登山路はところどころ荒れたところもあるが、全体的には歩きやすい


 

舗装林道から、池へのアプローチ入口は二ヶ所

登山路を歩いたりしたが、けっきょく自鑑水の手前には舗装林道があるので、クルマでも池に肉薄できそうであった。
池へのアプローチは上下に二ヶ所あり、いずれもちゃんと案内標識が立っている。

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上側のアプローチ路入口。ここからは500m。一応、駐車スペースもある


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ただ、途中分岐もあり、青い矢印の道を進めと漠然と指示されたり、ちょっと分かりにくいかも


 

下側のアプローチ路の方が分かりやすい

下側アプローチ路であれば沢伝いに200mほど上れば池に着く。
一本道なので迷うことはないだろう。ただし駐車スペースはない。

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池のインレット側

谷を形成するほどではないほどの小さな沢が流れ込んでおり、池の水源となっていた。
訪れた際はやや減水ぎみだったようで、全体的に底が見えるほど浅かったが、本来はもう少し水位も高そうだった。

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山側から見た池


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流れ込みの沢


 

池の吐き出し側

池の吐き出し側は細く沢へと接続しているが、ここに丸太や石などで堰き止めたような感じになっている。
池から下の沢は、徐々に谷を刻んでいく。
その先、沢には舗装林道の下をくぐるよう樋が設けられていた。

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吐き出し側


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吐き出しから先の流出河川。徐々に谷を刻んでいき、林道から下では明瞭な谷になる


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林道下の樋と谷地形


 

上空から見た自鑑水(地形)

上から見ても針葉樹林の多い山斜面が広がるだけで、池を形作る特徴的な地形は見出しにくい。
下の写真では、針葉樹林にはさまれ帯のように上下につづく広葉樹林ベルトのちょっとだけ右側(写真中央右あたり)に池があるはずだが、木々で見えない。
この広葉樹林ベルトは谷部分にあり、自鑑水からの水が小さな沢となって下り降りている。

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南郷山から見た真鶴半島と大島

湯河原の町を眼下に、真鶴半島が海に向かってのびる。
その先には、初島、その後ろに大島が控える。

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初島(手前)と大島
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途中で見つけた配水池?

湯河原町を見おろす南向き斜面で見た水道関係施設。

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昔はこのあたりを人力の車が走っていた


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ガラガラローラーを使った柵。


 

Google マップ

林道から池へのアプローチ路は上下2つあるが、分かりやすい方(下側)のアプローチ路入口をピンポイントでマークした。
マークした場所から山側に入って池まで200mほど。