水辺遍路

訪れた1万以上の池やダムを掲載

榑沢池(三重県いなべ)

湖面標高600mほどの榑沢池

なんとも奇妙な養老山脈の稜線山池群

岐阜県の濃尾平野と三重県いなべとの間をうずくまるような山塊で隔てる養老山脈。
じつはこの山、ちょっと変わっている。地図で見ると稜線上に榑沢池、田代池など三つの山池があるように見える。このような立地の池は通常、稜線が造山活動の褶曲などでひび割れてできた断層湖と推測しながら現場にのぞむわけだが、空撮してみてビックリ。
頂稜部がかなり広々としたテーブルマウンテンではないか。それが畝状の小ピークがいくえにも重なって、まるで巨人の茶畑のような景観を広げている。
予測はみごとに裏切られた。この瞬間がたまらない。頭は「?」でいっぱい。
畝と畝の間には重畳と緩慢な谷筋が入り乱れ、山池の巣になりそうな地形だった。田代池という池名にしても、水田のように池がたくさんある場所という意味を持っているので、昔はもっとたくさんの池や湿原があったとも考え、このような地形で池がたった三つしかないことが逆に奇跡のように思えてくる。


まるで茶畑のような山頂部。中央下の池は田代池

池の形態

天然湖と思われるワイルドなたたずまい。全体的に浅くなっており、流れ込み側から湿原化が進んでいる。
こう見えて池をほぼ一周するかたちで歩道およびダート林道が付けられており、観察しやすい。


吐き出し側

流れ出し部には、堤とまでは言えないものの、人工的に置かれた木材も。

流れ込み側

バックウォーターの奥部は林道で寸断。このあたりはもはや湿原から樹林化が進んでいる。下の写真では木の奥が池。


水面を覆う水生植物

魚類が棲むにはかなり厳しくなってきている。減水期は枯渇しそうにも見える。


 

池神社

ダムサイト右岸側にあたる位置に祠と屋根付き倉庫、鳥居がある。鳥居には「榑沢池神社」と書かれている。「榑」と思うが断言はできない。



 

榑沢池? 樽沢池?

「榑」という難しい漢字は「くれ」と読み、加工していない皮のついた木材、という意。
「くれさわいけ」と読むのが順当であろうが、「樽沢池(たるさわいけ)」と別の字をあてている記述も見られ、情報はやや混乱気味。
困ったことに、現地の案内板のなかには「樽沢池」の表記のものもあった・・。
池名の由来になりそうなものは、榑沢池神社。池名を冠した神社だけに縁起をたぐっていけば何か得られそう。日本で他に同名の池もないと思う。

この案内板では「榑(くれ)」でなく「樽(たる)」になっている。


こちらは「榑(くれ)」



 

榑沢池へのアクセス

三重県側から林道で

山頂近くの池ではあるが、恋姫山には三重県側から山頂までトラックも通れる立派な林道が通じている。池の入口までこの林道が通じているので、登山をするぞと思って入山したら肩すかし感もあるが、マイカーは入れないのでやっぱり歩くしかない。

三重県側から見た恋姫山。林道は山頂の方へとのびている

岐阜県側から石津御嶽の登山路で

よく整備された登山路でアプローチすることもできる。
トレイルランニングのランナーも多いルート。登山口駐車場が少々分かりにくいので正確な位置を地図上に示しておいた。



登山口駐車場


駐車場わきの舗装路を上る


この鳥居をくぐって石段をまっすぐ上る


石段の上にあるゲートをくぐる


ここがやっと登山口


四合目の展望台からは濃尾平野の池群が一望できる。


石津御嶽の十合目分岐。ここから恋姫山方面へ


ダート林道に合流し、そのまま榑沢池に到着(下写真)。工事のダンプが横を通ったりすると、苦労して登山してきたのは何だったのか、と、ガクッ

 
 

榑沢池神社

恋姫山山頂近くの霊池であるが、横を林道が通り中型ダンプが走っているのを見ると、ちょっと興醒めでもあるが。



 

榑沢池周辺の地形

稜線というより「稜面」。頂稜部が広く畝状のひだが複雑に入り組んでいる。これが標高500m以上の山頂部とは。
日本極北の島、礼文島の礼文岳の周氷河地形を思い出す。



bunbun.hatenablog.com

寄せては返す波のような丘陵地形。海沿いにへばりつくように並ぶ民家。北の海の厳しさ。雲間から少し見えるのは礼文岳(北海道礼文島)
 



 

Google マップ

Pマークは、石津御岳登山口(岐阜県側)。