【くしゅこ】
「花の浮島」と呼ばれる離島に、日本最北の湖が
海抜ゼロメートルから200種を越える高山植物が咲く礼文島は、「花の浮島」とも呼ばれる最果ての島。有人島としては日本最北端の離島である。
ここに唯一の天然湖沼として船泊の町に寄り添っているのが周囲4kmの久種湖。
もとはアイヌ語で「山越えする湖」という意味だそう。いい名だ。
湖を取り巻くなだらかな有毛無毛の丘が波打つように連なる景観は、北の海に洗われてきた厳しさを感じる。夕暮れには丘の向こうに利尻富士の切り立った頂が赤く染まり神々しい。
成因については現地の案内板では砂による堰き止め湖となっていた。
コイ、フナ、アメマス、ワカサギ、ウグイが生息。コイは明治時代に尋常小学生が放流したものだという。野鳥観察。南岸にミズバショウ群落。
流れ込みは大備川のほか三本の沢を確認。インレット側にはミズバショウ群落のある湿原が広がる。
湖岸は礫や石砂利を敷き詰めたようになっている。特に東岸側の石は抱えこむほどの大きさのも。ほとんどの岸にガマが密生し、水辺に近づけるポイントは少ない。
1980年代半ばのルアーフィッシングブームの際は、アメマスの爆釣ぶりが雑誌で紹介され、湖岸が釣り人で埋め尽くされるほどの人気だったというが、訪れた際、釣り人は皆無。湖面に魚の気配もあまり感じなかったが、ガマが密に岸を埋めていて、ウェーダーでもないと水ぎわに近づけない。入釣痕跡もほとんど感じられず、ほかは数人のキャンパーがいるだけだった。
9月中旬、湖畔にて秋の味覚を堪能する「オータムフェスタ」が開催される。
久種湖を遊歩道で一周
湖畔のキャンプ場(起点)
駐車場、トイレあり。駐車場での車中泊は一人500円。
湖畔の神社
キャンプ場から歩いてすぐ。鳥居をくぐり少し階段をのぼると、シンプルな社殿が。
湖畔の高台
キャンプ場からいったん道路側に出て左手に登り口がある。
西岸側
西岸側は草の感触が気持ちいい遊歩道。
途中、礼文の森の丘を上がっていく分岐遊歩道がある。
インレット側の湿原と駐車場
インレット側はミズバショウ群落のある湿原が広がり、野鳥観察小屋や駐車場、木道が整備されている。
流入河川・大備川
湿原を抜けて久種湖に流れ込む。河床に改修の跡が見られた。魚影は確認できず。南側駐車場からが近い。
道道利尻線側
湖の東岸側は車路との共用区間。歩道があり、ガードレールには一定間隔で植物のネームプレートが設置されている。
北岸側
北岸は町をはさんで海が広がる。
ここまで来たら起点のキャンプ場はもうすぐ。
吐き出し
久種湖を囲む丘陵地形
礼文森林(もり)の丘
湖周遊歩道から分岐する遊歩道で歩いて行くこともできるが、丘の上にも駐車場と展望台もある。遊歩道の途中で、久種湖と海を船泊の町を一望できた。
強風で木々が生えないので、植林された木の周りには白い防風柵が設置されている。
礼文島の景観
日本最北の売店とスコトン岬
幾重にもつづく波のような不思議な山なみ
久種湖畔にある船泊の町
船泊の湾
地図
マークした場所にキャンプ場。